Foreign Affairsに「The Sino-Russian Rundown」という論文が掲載された。露中関係は米国の国益に対する潜在的な脅威として規定されている。以下にその要旨を紹介する。
中国とロシアはサイバー主権という理念を共同で推進している。つまり、国内のネット活動に対する国家管理の強化である。これで自由かつオープンなインターネットが圧殺されかねない。さらに、ロシアから中国への地対空ミサイルシステムS400供給は、アジア太平洋地域における米国の軍事計画を深刻に妨げるかも知れない。
両国接近を疑問視する声もあるが、両国関係の拡大は本当である。米国はこれに対し対抗措置を講ずる必要がある。対抗措置の中核を占めることになる戦術は、露中孤立化戦術と、両国の不和を煽る戦術である。
露中接近を笑ったり、パニックを起こしたりしてはならない。冷静な決定が必要だ。ふたつの偉大な国家が愚かな振る舞いをしたときには、掣肘するのが、米国の国益にも、価値観にかなうことだ。露中協力が顕在化しても、この論理はかわらない。露中にくさびをうちこむために、欧州でロシアに譲歩し、アジアで中国に譲歩しても、何らの得るところもない。ひっそりと両者間の不和を煽るほうがずっと合理的だ。こうした方法を正しく用いれば、米国は最大の成功を収めることが出来る。戦術こそことなれ、それは冷戦時代と同じである。
以上Foreign Affairs誌。