聯合ニュースの報道では、避難が行なわれているのは漣川郡(ヨンチョングン)のフヴェンソンニ、サムゴンニ居住区。これまでの報道では38度線の西側で北朝鮮の砲兵隊が最初に砲撃を行なった。韓国軍側はこれによる韓国側の被害はないことを明らかにしている。ところが聯合ニュースが軍関係者からの情報として報じたところによれば、韓国もこれに応戦し、砲撃を行なった模様。
北朝鮮と韓国が互いに砲撃を行ったことを受けて、韓国の全軍が最高レベルの警戒態勢に入った。聨合ニュースが報じた。
聨合ニュースが軍関係者の情報として伝えたところによると、「17時4分(モスクワ時間で11時40分)から全軍が最高レベルの警戒態勢に入った」という。
聨合ニュースは韓国軍関係者の話として、北朝鮮軍が現地時間で20日15時25分ごろにロケット砲とみられる砲弾1発を京畿道(キョンギド) 漣川郡(ヨンチョングン)付近に発射したと報じた。韓国軍は北朝鮮軍のロケット砲発射地点に155ミリ砲弾数十発を応射したという。
聯合ニュースからのインタビューに情報筋は「北朝鮮軍はロケット砲とみられる砲弾1発を京畿道(キョンギド) 漣川郡(ヨンチョングン)付近に発射した」と語っている。情報筋によれば、韓国軍は北朝鮮軍のロケット砲発射地点に155ミリ砲弾数十発を応射したという。
朝鮮問題に詳しいロシア人専門家のコンスタンチン・アスモロフ氏は、現状況はかなり危険だとの見方を示し、次のように語っている。
「双方が慎重に考慮し、一歩後ろに引かなければ、これは深刻にエスカレートする恐れがある。北朝鮮が砲撃したのは、おそらく韓国がプロパガンダを再開したことに対する報復だった。韓国政府が拡声器によるプロパガンダの再開を決めたとたん、北朝鮮側は、状況をこのままにはしておかないという声明を表した。韓国側は報復で威嚇した。おそらく今回のケースは双方とも事実無根ではない状態にあろうと決意したのだと思う。
状況のエスカレートを促したのは先日地雷によって韓国軍兵士が重傷を負った事件だった。事件で韓国は北朝鮮を罪を証明しないまま非難した。そして結果として、昨今の事件のすべてが、実際にこれだけ忌まわしい結果を招きうる激変を表している。しかも現在、米韓の合同軍事演習が行なわれているが、北朝鮮はこれを以前から北朝鮮領への侵攻訓練と受けとめている。
このほか、今日、韓国の内政状況を考慮することも重要だ。韓国内では右翼保守派の一種の進撃が始まっている。右翼保守派は首相候補をたて、国家安全保障法に関する一連の不快きわまる状況を立証した。そうしたなかには大統領の全権を制限しようとする試みがあることも指摘しておかねばならない。その目的は大統領支持者らが右翼と結託するよう、これに徹底的な圧力を加えることにある。そしてそれによって、北の煽動への無慈悲な報復措置の端緒を開こうというわけだ。
こうしたファクターがすべて重なれば、状況エスカレートに達する恐れもある。とはいえ、そうはならないだろうと期待もできる。というのも今回の砲撃事件は、双方が「報復手段」を約束しており、面子を保つためにも何らかの手を下す必要性があったからだ。