ギリシャのアレクシス・チプラス首相は20日夜、政府の解散と議会選挙の前倒しを宣言した。ギリシャ憲法に基づき、前倒し議会選挙までの期間、存在するいわゆる「補助政府」は、3つの最高裁のいずれかの長官によって率いられなければならない。現在のところ、この役にはヴァシリキ・タヌ=フリストフィリ最高裁長官がふられるだろうと予想されている。
こうした一方で、パヴロプロス大統領も21日、チプラス内閣辞職を受けて、中道右派の新民主主義党のヴァンゲリス・メイマラキス党首に組閣を提案する。アテネニュース通信が報じている。だが新民主主義党には独自の組閣のチャンスはない。新民主主義党は全ギリシャ社会主義運動(PASOK)とポタミと連立を組んだとしても、議会内で151票を獲得する見込みはないからだ。
独の経済新聞「ハンデルスブラット」の見方では、チプラス前首相は前倒し選挙を行い、国民が強硬な経済措置の結果に直面する前に首相職への返り咲きを狙っている。一方でチプラス氏が所属する与党「急進左派連合」は860億ユーロのギリシャ支援第3プログラムの合意批准をめぐり、分裂を起こしている。