今回の世界分配の結果は?

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今回の世界分配の結果は? - Sputnik 日本
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全ての世界大戦は、勝利した大国間で影響領域を分配して終わっている。米国は果たしてどのような世界の配分を新たに地球に押し付けようとしているのだろうか?以下、MIA「ロシア・セヴォードニャ」のウラジーミル・レペヒン評論員の見解をご紹介する。

中国人民銀行による人民元切り下げや、それに続くロシア、カザフスタン、ベトナム、マレーシアを含む一連の国々の通貨下落が、最近ロシアと外国の経済学者たちの関心を惹きつけている。私は、一連の通貨切り下げの背後には、対米ドル為替レートの下落というよりはむしろ、自国の国家安全保障の保護と関連した中国や他の複数の国の重要な事情があるのではないかと考えている。なぜなら現在の複数の通貨の変動は、世界の様々な地域で、米国が直接あるいは間接的に参加する軍事紛争が高まっている中で起こっているからだ。

多くの専門家たちは、これらの紛争がエスカレートしている主な原因は、米国が世界の準備通貨としてのドルの地位を維持しようとしているからであり、つまり文字通り何もないところから超過利潤を引き出す手段としてのドルの地位を維持しようとしているからだとの確信を示している。米国のアナリスト、ロン・ポール氏の見解によると、「もしドルのステータスに挑戦状が突き付けられた場合、米国は経済危機に直面する」という。最近ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された記事では、米国政府には「事実上、経済危機と戦う手段は残っていない」と指摘された。また少し前にはワシントン・ポスト紙が、米連邦議会下院予算委員会のトム・プライス委員長の発言として、「我々の国債は制御不能に陥りつつある」と報じた。

米国はこのような状況の中で何をしているのだろうか?自国の経済を立て直そうとしているのだろうか?予算支出の削減や国債の最小化を計画しているのだろうか?残念ながら、米国は問題を力で解決する傾向がある。それは20世紀の2つの大戦の原因と結果を思い出してみれば明白だ。米国の目的は、敵の領土を占領して服従させるというよりも、金融部門で優位性を獲得するというものだった。各世界大戦後に世界的な金融危機が起こり、この危機によって、勝利した大国は基本的な買い増しに向かった。私は、中国が、ドルを国際準備通貨とした国際通貨基金(IMF)が管理する国際通貨システムの改革を提案した2009年を、第三次世界大戦の始まりとして考えるべきだと思っている。この文脈では、来るべき世界大戦の主要国が定められている。それは、一方が米国とその衛星国(まずはEU)、そしてもう一方は中国とその同盟国(ロシアも含まれる)だ。このように、第三次世界大戦の結果は、単に世界市場の分配ではなく、世界各国の通貨のステータスの変化になるということは明白だ。

私は、米国が新たな世界的対立の主要大国として、2つの基本的な傾向を見逃したと考えている。一つは、米国が、世界のあらゆる通貨や紙幣印刷機の管理に関心を抱き、世界経済に「寄生」している米国経済のサポートへの関心はどんどん低下している世界金融システム(多国籍銀行ネットワーク)が独立した勢力として形成されるのを許したということだ。2つ目は、米国のエリートたちが、新たな世界の大国、完全なる主権を持つ大国が、経済的および政治的に台頭する間に「眠っていた」ということだ。そのような国になったのは中国であり、インドはそのようなポテンシャルを持っている。

結果、米国はこんにちすでにグローバル戦争なしに世界の金融を(したがって全面的に)コントロールし続けることができなくなっている。人民元は米国のコントロールが及ばなくなっており(むしろ米国にとって危険な通貨となっている)、2025年頃までに、インドの通貨ルピーやラテンアメリカのアメロ、またユーラシア経済連合の共通通貨が米ドルと競り合うようになるかもしれない。

米国は現在、西欧などの別の地域の市場で、米国企業の優位性を確保しようとしたり、中東の一連の石油輸出地域に対するコントロールを維持することに期待することで、満足しなければならなくなっているように思われる。

なお米国のエリートたちが、世界における米国の政治的影響力の急激な減少を認識していることが、米国外交政策の主要な方向性における積極的ではあるものの適切ではない米国務省の行動の主な促進剤となっているのだ。

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