中国紙「環球時報」によると、米国と中国は犯罪人引き渡し条約を締結していないが、米国は中国の要請に同意する用意があるという。しかし米国は、中国の不法移民を米国から国外追放するという一つの条件をのむよう求めている。
中国は4月、「天網(スカイネット)」という作戦を開始した。この作戦の目的は、汚職容疑者を祖国に呼び戻し、裁判にかけるというものだ。「環球時報」によると、同じ時期に米国では、中国人不法移民の捜索と拘束に関する抜き打ち検査が急増し、その人数は数万人に及ぶ勢いだという。「環球時報」は、これらのプロセスにはつながりがあると報じている。
北京大学国際関係学院のサー・ダオチュン教授は記者団に、国際刑事警察機構(インターポール)が「スカイネット」作戦で中国政府と公式に協力しているが、実際のところ、多くの西側諸国は中国に中国人を引き渡すことに消極的だと語った。
教授は、次のように述べている-
「中国は、国際的な義務が存在していると強調している。しかし他の国々は、我々が中国の不法移民を国に呼び戻すことを求めている。これは取引と似ている。もし中国が一切同意しなければ、多くの国は『スカイネット』作戦で協力しないだろう」。環球時報が報じた。
2014年から中国国内で汚職の容疑に問われている中国人930人以上が、中国へ送還された。例えば2015年5月には、汚職容疑で指名手配されていた元江西省鄱陽県財政局経済建設係長のリー・フアボ容疑者が、シンガポールで拘束された後、中国に送還された。 「環球時報」より。