米国はロシア上院のマドヴィエンコ議長に会議開始の5日前になってようやくビザを発給したが、ビザは条件に制限を設けていたため、マトヴィエンコ議長が会議に出席することは不可能となってしまった。米側はこうした決定について、マトヴィエンコ議長は制裁リストに挙げられていることから、彼女に許可されるのは国連のパン事務総長との会談のみだと弁明した。これに不服の意を示し、ロシア代表団全員が米国行きを取りやめた。マトヴィエンコ氏は列国議会同盟のほかに、女性議長フォーラムや一連の二者会談への参加を計画していた。
在モスクワ米大使館の説明では、列国議会同盟は国連のストラクチャーには入っておらず、国連に付帯したオブザーバーの位置しか得ていないため、米国は国連の行事に出席する外国人を入国させるという自国の国際的な責任に違反していないというわけだ。
マトヴィエンコ議長は、議員に対する制裁およびその政治的視点に対する追跡を「野蛮で中世的」と批判し、ロシアは相応の措置を採る権利を有していると語った。とはいえ、こうしたことの決定は熟慮されたものでなければならない。ロシア外務省は29日、米国のマトヴィエンコ氏に対する行為について「受け入れがたく、国際法に矛盾するもの」と非難する声明を表している。