新聞セントルイス・ポストディスパッチによれば、「政府によって放射能汚染が認定された住宅街の清掃に当局が当たるのはこの15年以上ではじめて」だ。
コールドウォーター・クリークは北セントルイスを流れる延長20マイルの小さな川。この川は、米国が最初の原子爆弾に取り組んでいた半世紀前に汚染された。米国唯一のウラン製造工場「マリンクロット化学工場」がセントルイスの郊外にあり、そこで出た放射性廃棄物が隣のヘーゼルウッド(ミズーリ州)の土壌に剥き出しのまま投棄され、そこから汚染物質がコールドウォーター・クリークに流出した。以来この小川は幾度となく増水し、流域民家の庭、さらには地下室を浸水させた。
2011年には流域住民の間で癌その他放射能汚染がらみの疾病の発症率が高くなっていることが分かった。今年4月、アルジャジーラによる一連の報道で、コールドウォーター・クリーク流域の公園・庭では放射線汚染度チェックが一度も実施されていないことが分かった。今年6月、ようやくチェックが始まった。
トリウム230は、庭や公園の地下6〜12インチ(15〜30センチ)でとられた土壌サンプルから発見された。アルジャジーラによると、「あるケースでは、トリウム320含有量は、浄化が必要とされる閾値の2〜4倍だった」。政府当局者は自ら音頭をとって浄化に当たることを約束し、一方で、住民の健康に即時的な危険はないと主張している。
専門家は、調査を継続すれば新しい汚染例が発見されるだろう、と予測している。