米国の学者ら、包括的民主主義世界は不可能

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米国の政治学者らは、民主主義体制が互いに戦うことはないとする民主的平和論は誤りであることを示した。その喧伝する価値観にも関わらず、民主的な国同士はお互いに戦うことがある、という。Proceedings of the National Academy of Sciencesに研究結果が発表され、概要がオハイオ州立大学のサイトで紹介された。

学者らの主な結論は、民主主義の価値観でなく国際政府間組織への所属、貿易・経済関係こそが民主主義体制を持つ国同士の間の平和を維持する上で重要な役割を果たしている、ということだ。後者に属するのは米国、カナダ、オーストラリア、EU、イスラエル、日本、韓国といった金保有諸国である。

民主主義世界などという概念はのようなものは存在しないという。1948年から2000年までの期間で行われた国際的な武力紛争の動向を分析し、対応するモデルが構築された。

研究の発端は、ドイツの哲学者カントが1795年に表明した「永遠平和のために」という作品。カントによれば、国家間の戦争を防止する条件は民主主義だけでなく、3つの条件がある。民主主義の拡大、発達した貿易・経済的相互依存関係、国際政府機関への加盟の3つである。

学者らは、彼らの研究は政治的、軍事的計画の立案に有用であると考えている。

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