ワシントンの殺人事件の数は、2014年に比べ44%増加した。犠牲者は105人。街の一部の地域では、国会議事堂に近いにもかかわらず、銃撃戦も日常茶飯事である。
過去10年間、ワシントンでの殺人事件の数は大幅に減少したが、2015年には再び成長し始めた。なぜそうなったのか。説明は色々あり得る。
「自分たちの社会には未来がない、と若い人たちは考えざるをえなくなっている。若者は法律に違反することなく生計を立てる希望を持てないでいる」と米革命共産党の共同創設者カール・ディックス氏は述べている。
「治安機関自らがこうした社会経済状況を作っている。彼らは刑務所に人を入れ、結果、子供たちは単親家庭で育っている。父親なしで家族で育った人は、犯罪を犯す可能性が高くなる。そして逮捕され、拘禁され、ペナルティを課せられる。刑務所システムに捕えられ、もはや仕事も失ってしまう」と元ボルチモア警察のマイケル・ウッド氏。
銃器の数が人口にほぼ等しい米国では、暴力の根本原因に取り組むことが最もアクチュアルな課題の一つになっている。