「ドイチェ・ヴェレ」紙の報道では9月4日、24歳から56歳の男女数十人が「ホテルのテリトリーをガラスのような目をして歩き回り、芝生に寝転がり、不可解な行動をとり、叫び声を上げたり、引付を起こしていた。」
現場には160人の医療関係者と救急車、パトカー数十台が駆けつけ、患者らは病院に運ばれたが、妄想、呼吸困難、不整脈、ひきつけの診断がなされたほか、危篤状態の者も見られた。分析の結果、患者全員からドイツでは禁止されている幻覚剤の麻薬2C-Eが検出された。これはAquarustの名称で有名な麻薬で摂取するとLSDを服用したときと似た効果が得られる。
警察は7日には尋問を開始する予定だったものの、患者の誰一人も尋問を受けられるような状態に回復しなかったため、まだ行われていない。
独政府麻薬対策専門委員会のトーステン・パッシ委員は独でこれだけ大規模に麻薬大量服用が行われた例は前代未聞と指摘。「これらの人々はそれとは知らず、服用に際してのリスクについても知らずに幻覚剤を用いたのではないかと考えうる。何を飲んだかのか、自分たちでも知らなかったのではないかと思う。」
独医師ホメオパシー協会(DZVhÄ)はこの事件について、「残念だがこの学会は代替的医療の評価を大きく傷つけた。こうした行為は自然セラピーの精神や我々の価値観と合致するものではない」という声明を表している。
こんにちホメオパシーの治療は完全には証明されておらず、こうした治療が持つ優位性について学術的根拠はない。ホメオパシーは個人的経験に基づいていることが多い。警察は大量服毒が何らかの実験の一部ではなかったかという説を解明中。また何者かが薬剤の効果のことでホメオパシー治療者を陥れようと、冗談で麻薬を混入させた疑いも取り上げられている。