韓国外務省朝鮮半島における平和・安全保障問題担当特別代表ホワン・ジュングク氏は13日、米国を訪れ、北朝鮮の核問題に関する6者協議の再開の可能性を討議する。
同氏が10日、韓国議会で行った演説に、米国での協議を占う兆候が見て取れる。
同氏は議会でこう述べた。「米国も韓国も、6者協議の再開のために様々な試みをなしている。しかし北朝鮮は今、核問題についていかなる対話も拒んでいる」。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所朝鮮モンゴル課代表アレウサンドル・ヴォロンツォフ氏は事態のこうした解釈に反対している。
「北朝鮮の核問題に関する6者協議の再開の可能性を話し合うために韓国外務省特別代表が米国を訪れるというニュースはもちろん喜ばしい。多くのメディア報道とは裏腹に、韓米とも6者協議がまだ生きていると考えており、むしろ協議を有効な手段と見なしているということだから。何しろ協議が立ち止みになった2009年以降、核を含む状況を複雑化させる多くの問題が起こったのだから、喜ばしさも一入だ。たとえば、もはやおそらく北朝鮮が核兵器を保有していることは疑う必要もなさそうだ。
しかし、協議再開や成功を期待することはできない。韓国と米国の対北朝鮮政策が非建設的だからだ。
北朝鮮はここ数年、協議再開を様々なフォーマットで数多く提案してきた。しかしそれら全ては却下された。米国と韓国はこれら試みをプロパガンダ攻撃とし、次なる挑発行動への前振りだと規定した。
北朝鮮はこれまで度々、6者協議に復帰する用意があると宣言してきた。しかし米国は変わらず、北朝鮮はまず一連の前提条件を満たさねばならぬ、としてこれをはねつけた。たとえば、国際査察団を受け入れ、核施設を全面閉鎖し、一方的に武装解除せよ、との条件だ。むろんこれら要求は北朝鮮には受け入れがたく、しかし米韓は譲歩しない。
平和愛好的なこうした試みが全てこのようなリアクションにあった挙句、北朝鮮は、たぶん今年のある時期に、米韓との対話は無意味だ、なぜなら彼らの目的は、政権交代だからだ、との結論に達した。それが証拠に、1月、オバマ大統領は次のように述べた。つまり、米国は、残念ながら、北朝鮮政権を軍事的手段で転覆することが出来ない、なぜなら、政権は軍事的に相当強く、しかも核技術を持っているからだ。しかし米国は今後も政権を内部から崩壊させるために、メディアやインターネットなどを通じて働きかけを強めていく。これを聞くや北朝鮮は、オバマ政権とは建設的な対話など不可能だと悟り、北朝鮮は対話を求める呼びかけを停止し、経済と核抑止力の同時構築という方法に就く、と宣言した。
こうしたわけで、6者協議の再開をめぐる状況は複雑だ。今はホワン・ジュングク氏の米国訪問の成果、すなわち、米韓が北朝鮮にも受け入れ可能なより理性的な立場をとることが出来るのかということに多くがかかっている」
なぜ米韓は今になって6者協議の再開を求めているのか?ヴォロンツォフ氏によれば、おそらく米韓は西側の非建設的な立場に失望した北朝鮮の決然性を非常に恐れている。北朝鮮は自前の核抑止力を持つことを控える見返りに西側からほんの小さな、対等な対話への誠実な努力、押し付けがましい、しかし実現は困難な北朝鮮の政権転覆という考えの撤回という程度のものを求めているだけなのだ。