「両国はシリア問題の解決に向けて、国連の仲介のもと、ロシアとトルコが参加した中で2012年に結ばれたいわゆるジュネーヴコミュニケに則って、重大な、具体的な、合目的的な政治プロセスを開始すべきだという立場を共有している」
シリア内外の「イスラム国」対策については、テロとの戦いという点で諸国が団結するべきだ、とラヴロフ外相。国際有志連合は同じくテロと戦っているシリア軍を無視してはならない。そして、地政学的なゲームに我を忘れてはならない、とラヴロフ外相。
「シリア指導部はテロの脅威と戦っており、シリア大統領はおそらく世界で最も有能な軍最高指揮官である。シリアとの協力を拒む理由はない。もし拒むとしたら、「イスラム国」と戦うためのパートナー、同盟者としてシリア軍を見ないなら、それは、地政学的打算のもとに、地域全体の安全を犠牲にするということに他ならない」
アサド大統領が退陣すれば地域はテロから解放されるなどと考えるのはユートピア思考だ、とラヴロフ外相。
「我々のパートナー諸国は選択のときを迎えている。一つの選択は、アサド大統領の退陣だけが地域をテロの脅威から救う、との立場を貫くこと。もっとも私は、この考えがユートピア思考であることは誰にも明らかだと思うが。もう一つは、この豊かな歴史をもつ尊ぶべき地域が崩壊してしまわないようにと誠実に希求する全ての人と手を結ぶことだ」
ラヴロフ外相は、内政および外政上の打算から刹那的、一時的な利益のみを追求して地域を救うための協力を拒絶する愚を戒める。テロの脅威を撃退するために行なわれるいかなる行動も、国際法および国際機関の定める規則に適合していなければならず、無法を来たしてはならない、とラヴロフ外相。
あわせてラヴロフ外相は、「シリアの将来を決定できるのはひとりシリア国民のみだ」と強調している。