先日ポロシェンコ大統領は、外国市民に対し制裁を導入する大統領令を出した。制裁リストの中には、政治家や官僚、ジャーナリストを含め、23カ国の個人及び法人が含まれていた。制裁措置は、ウクライナへの入国禁止から、財産の差し押さえまで多岐にわたり、その期間は1年となっていた。こうした制裁は、しかるべき大統領令が、政府の公式的な新聞に発表されから数日後にも効力を持つということだった。
しかし水曜日に公表されたウクライナの制裁リストは、西側でかなり大きな怒りを呼び起こした。独立した立場にあるポーランドのジャーナリスト、ヤクブ・コレイバ氏は、ラジオ・スプートニクのインタビューに応じた中で「ポロシェンコ大統領の措置は、精神的な貧困及び後進性を示すもので、自然に出てしまった無分別なジョスチャーを、文明化された国々の社会は、長く記憶するだろう」と述べ、次のように続けた―
次にラジオ・スプートニク記者は、このポロシェンコの制裁リストに加えられているロシアのテレビ「ヴェスチ・セヴォードニャ(今日の報知)」の主幹であるセルゲイ・ストルチェヴォイ氏に話を聞いた―
「このリストに含まれたジャーナリスト達は、クリミア情勢やマイダン(キエフ中心部の広場での反政府行動)、ドネツク及びルガンスクでの戦争といった出来事を、ある一定の観点から報道してきた。恐らくウクライナ当局は、そうした報道を、自分達にとって利益のないものと受け取ったのだろう。しかしジャーナリストは、自分の目で見たもの、自分自身が証人となったものを書いてきたのであり、己の義務を果たしてきたに過ぎない。」
最後にラジオ・スプートニク記者は、国際ジャーナリスト連盟のアントニー・ベランジェ副事務局長に、意見を聞いた―
「全く馬鹿げた決定だ! 報道の自由にとって大きな打撃だ! ウクライナ当局と政治家達は、今や報道の自由にとって第一の敵となったと指摘されて当然だ!キエフ当局のああした立場は、ウクライナの国際的評判にも影響するだろう。」
制裁リストには、国際情報通信社「ラシヤ・セヴォートニャ(ロシア・トゥディ)」やイタル-タスを初めとしたロシアのマスコミの多くのジャーナリストが含まれているが、BBCといった西欧のジャーナリストも対象とされた。そうした状況は、西側各国の激しい批判を浴びた。特に、国際人権擁護組織「国境なき記者団」は、キエフ当局の措置を、報道の自由の重大な侵害であり、ロシアとの情報戦を非建設的にエスカレートさせるものだと非難した。こうした深刻な反応を受けて、ついにウクライナ当局は、彼らの意見に耳を傾けざるを得なくなり、今回の制裁リストの縮小決定を下したのである。
木曜日、ポロシェンコ大統領は、安全保障会議と国防省に対し、リストからBBCのジャーナリストを削除するよう委任した。
なおロシア外務省のマリヤ・ザハロワ報道官は「キエフ当局の制裁措置は、非友好的なものであり、ロシア・ウクライナ関係調整を促すものではなく、ミンスク合意の達成も助けるものでもない」と厳しく指摘している。