岸田外相のロシア訪問は肯定的な一歩

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日本の岸田外相がロシアを訪問する予定だ。良い事ではあるが、露日関係が飛躍的に前進する期待は抱かない方がよい。リア・ノーヴォスチが専門家らに取材したところ、こうした答えが返った。

岸田文雄外相が今月20-22日の日程でロシアを訪問し、ラヴロフ外相との会談が予定される。

「訪問が実現するなら、大いに結構な話だ。意見交換のよい機会だ」と語るのは、モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国大学東洋政治学専攻のイリーナ・ロマーノワ准教授だ。しかし、露日関係の急所である、平和条約締結問題に関しては、前進は期待できない」とロマーノワ氏。

「平和条約問題は前進しないだろう。これまで度々行われていた通り、今回も、相互の立場が確認されるだけだ。事態が抜本改善する見込みはない。そのための前提条件がない」と同氏。

モスクワ国立国際関係大学外交課長で元駐日ロシア大使も務めたアレクサンドル・パノフ氏も、今の国際情勢では露日関係が飛躍的に前進することはあり得ない、としている。「日本は米国に追随し、G7の一員として、ウクライナ問題との関連で、ロシアを批判する立場をとっている。日本はロシアに制裁をかけている。たしかにそれは、他の国ほど厳しくないが、それでも制裁は、厳として存在する。こんな中で飛躍的な前進を期待するのは無理だと思う」とパノフ氏。

パノフ氏は言う。露日関係の現状を評価したいなら、モスクワ交渉を待った方がいい。「岸田さんが何を携えてやって来るのか、見守ろう。これは対話の端緒に過ぎない」。

両国外相会談では、長らく待ったをかけられているプーチン大統領の日本訪問という問題も議題となるはずだ。ロマーノワ氏によれば、「岸田外相の訪問は、プーチン大統領の年内訪日を実現させることを目標の一部としている」

ロマーノワ氏は続けて次のように語っている。「訪日が実現するかどうか、まだわからない。全ては日本が制裁をどうするかにかかっている。日本は制裁を撤回する気はない。交渉は行われても、制裁が解除されることはないと思う。いま重要なのは、それでもプーチン大統領の訪日が実現するように、問題を解いていくことだ」

一方のパノフ氏は、ロシア大統領の訪日については、日本の政界でも意見が分かれている、と語る。

「日本の政界では、プーチン大統領訪日に賛成する勢力と、反対派とが、鋭く対立している。岸田外相本人は常に受け身の政治家で、ロシア大統領の訪日にもあまり積極的ではない」。

「一方、安倍首相は、ロシアとの対話に積極的である。露中がアンチ日本で同盟することを日本はおそれており、それを避けるためにも、安倍氏はプーチン大統領と対話を続けたいと考えている」。

ただし、その一方で、日本は自らの対ロ政策について欧米諸国の理解をも得たいと考えている。「安倍氏はG7諸国首脳に対し、日本にはロシアとの対話を続けることが大事なのだ、と訴えている。オランド仏大統領とメルケル独首相はこれに理解を示している。オバマ米大統領は賛成も反対もせず、ただ黙っている。しかし米国がそれを好まないことは周知の事実だ」とパノフ氏。

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