「政府が集団的自衛権に対する制限を緩和する決定をとったことを含め、今ある潮流には憂慮を覚えている。こうした事と並行して、北東アジア地域における米国の軍事プレゼンスが勢いよく増大し、活発化していることも指摘したい」。
ラヴロフ外相によれば、「何より重大なのは、アジア太平洋地域における米国の対ミサイル防衛力の構築および増強だ。米国のグローバルMD計画がもつ、国際安全保障を不安定化させる性格について、大臣閣下と話し合った」。
「並行して日米防衛協力の指導原則が更新されつつあり、そこには私なら<核の相貌>と呼びたいような側面が見て取れる。我々は、ブロック化による安全保障というアプローチはもはや通用しない、と確信している。欧州であれアジア太平洋地域であれ、閉鎖的な軍事同盟によって緊張が緩和されることはない」とラヴロフ外相。
あわせてラヴロフ外相は、両国間には立場の不一致もあるが、日本とは安全保障問題全般にわたって二国間のコンタクトを続ける意向だ、と指摘した。
「我々は日本の隣人たちと安全保障問題全般にわたって二国間協議を行うことに前向きだ。アジア太平洋地域の安全保障もそうだし、特に北東アジアにしぼった安全保障についてもそうだ」とラヴロフ外相。
「かつて両国の間には2+2というメカニズムが作られた。このメカニズムを再始動させる用意がある。日本側も反対しないだろう、との印象だ」とラヴロフ外相。