調査で「この地域のどの国に一番好意を持っていますか?」の問いに回答者の71%が「日本」と答えた。この一方で57%が中国に対し、好意を持っていると答え、また51%がインドに好意を寄せていると答えている。韓国については47%が肯定的回答を寄せた。この数値は韓国が好きではないという回答者を2倍上回るものだった。今回の調査では日本人の中での韓国の人気度は急激に落ちている。2015年の調査で日本人で韓国を「恵まれた国」と評価した人はたったの21%。ところが2008年では57%の日本人が韓国と肯定的に評価していた。ピュー・リサーチセンターは、日本人の間で韓国の人気度が急落した背景には第2次世界大戦中の「慰安婦」問題があるのではないかとの見方を示している。この問題は依然として日本の社会に緊張をもたらしている。
日本に最も好意を寄せたのはマレーシア(84%)、ベトナム(82%)、フィリピン(81%)、豪州(80%)。逆に日本を最もマイナス評価したのは中国で、日本を「最も恵まれた国」と評価した中国人はわずか12%にとどまった。
中国が隣国との間にかもす領土論争に最も強い憂慮を示したのはフィリピン(91%)、続いてベトナムと日本が同じく(83%)、そして韓国(78%)。今回の調査ではフィリピン、ベトナム、日本の市民は中国がアジア太平洋地域諸国とおこしている領土論争をグローバルな脅威と捉えていることがわかっている。
調査では中国の習国家主席、日本の安倍首相、インドのモディ首相にアジア太平洋地域の市民の人気が集まり、人気度を集計しても大きな差は開かなかった。
歴史の上や領土問題で意見の相違を抱えてはいるものの、アジア太平洋地域諸国は隣国を肯定的に評価している。これが今の地政学的問題の解決の一助となることは間違いない。