イスラエル南部のエルサレムでは警官らにルガー社の自動小銃が配布される。この銃はパレスチナ人の少年らが自動車や家屋に投石した場合、用いられるものと予想されている。自動小銃の携帯を承認したイエグダ・バインシュテイン検事総長によれば、警察が銃を使用していいのは投石が人命に危害を与える場合のみで、撃つのは足元のみが許可されている。ところがこうした制限にもかかわらず、新法によって児童が死亡した例はすでに発生している。
今年7月、マハメッド・カスバさん(17)はイスラエル軍のイスラエル・シュメル大佐の自動車に投石したため、銃殺された。捜査段階でシュメル大佐は自分の命に危害が加えられる恐れがあったためと子どもに銃を向けたと説明したが、目撃者らは児童が射殺されたのは、投石後に警察の追跡から逃れようと走り出したときだったと断言している。これを裏付けるのは司法鑑定で撃たれたのが少年の背中だった事実だ。
ベツレヘムなどイスラエルの占領地区人権情報センターのサリト・ミハエリ広報官はラジオ「スプートニク」からにインタビューに答えた中で、すでに3件の児童の死亡例が出ているとして、次のように語っている。
「死亡した3人は警察との小競り合いや投石に参加していたが、我々が広範に調査したところでは、そのうち兵士らに死の脅威を与えるような行為を行った者は誰もいない。これは重要なことだ。我々はエルサレム東部のスナイパーゾーンにこの決定が拡大されるのを憂慮している。イスラエルは同じ標準を西岸地区にも、1967年に違法に占領されたエルサレム東部にも適応しようとしている。危ないのは兵士らが戦闘用弾薬を脅威のないケースでも使用する危険性があることだ。これは死を呼ぶ恐れがある。イスラエルはパレスチナ住民を自分で勝手に差別したことで引き起こされた自分の問題を解決するために武力だけを使っているのだ。」