回教神学者評議会の発表では、モスクワ主要イスラム教大寺院の再建には1億7千万ドルが費やされた。再建の費用は一般の信者からの寄付、大企業からの献金でまかなわれている。こうした慈善行為を記念して出版された書籍には寄付を行った市民の名前が全員記載された。
開帳式には多くのイスラム国、アラブ諸国からの代表団のほか、欧州諸国の大使らが出席している。式にはプーチン大統領、回教神学者評議会のラヴィリ・ガイヌトゥディン会長、カザフスタンのナザルバエフ大統領、パレスチナのリーダーのマフムード・アッバス氏、トルコのエルドガン大統領や世界の伝統的宗教の代表者らも列席している。
大寺院は1904年、タタール人イスラム教徒の大商人の寄付で建立。ソ連時代、宗教弾圧が行われた中でモスクワで唯一宗教活動が認められ、閉鎖されることはなかった。ところが1980年のモスクワ五輪ではすぐそばに五輪スタジアムが建設されたため、寺院は危うく撤去されるところだったが、モスクワの様々な宗教活動家らやアラブ諸国の大使らの必死の反対で間逃れている。今回の修復工事は建立後100年以上を経て、2005年に開始されており、実に10年の歳月がかけられた。