以下インタビューの内容を御紹介したい。
質問:プーチン大統領は、ニューヨークでオバマ大統領と、ほぼ2年ぶりに会談した。長く待たれたものだった。両大統領は、連合を組んで作業することで合意したのだろうか?
答え:「プーチン・オバマ両大統領は、この言葉が持つクラシックな意味での「連合」については、討議しなかった。彼らは、最も差し迫った問題の解決模索における、より密接なロ米協力の可能性について意見を交換した。そうした問題の第一は、シリア紛争である。我々は、共通の目的は「IS(イスラム国)」に勝つことであり、彼らが巨大な領域に創り出そうとしているカリフを長とする神権体制(カリフ制)の組織を不可能にすることだ、という点で意見の一致を見た。ISはすでに、イラクとシリアの広範な領土に陣取り、そこに非人間的な法律を導入している。ロシアも米国も、彼らが自らの目的を達成できないようにする考えである。我々は、自分達の観点を示し、プーチン大統領も『我々はプラグマチックで理性的かつ合理的であるべきだ』との考えを説明した。もし我々が皆、そのように行動するなら、ISを嫌悪しISと戦っている人々は、自分達の行動を調整するに違いない。
ロシアには、同時にイラク政府とも又シリア政府とも固い絆がある。ロシア政府はすでに長い間、テロリストと効果的に戦うため、両国に必要な兵器や武器を供給している。
イラク及びシリア政府は、我々から援助を受けてきた。我々は、イラク人及びシリア人がロシア製の武器や兵器をしっかり扱えるよう軍事専門家を派遣してきた。 ISやそれに類したテロリストグループと戦っているすべての人達は、自分達の行動を調整するべきだ。それは、共通の司令部を持つべきではない。そんなことは非現実的である。プーチン大統領は、オバマ大統領との会談でそう説明した。しかし現地での行動自体は、調整されたものでなくてはならない。空爆についてもそうだ。
ロシアは、シリア領内で戦っている愛国的な在野勢力を「連合」に引き入れ、彼らが、この打ち合わせのなった戦いに参加することを歓迎する。
第一に、我々は、イラク及びシリア政府、そしてイラン政府と共に作業する。我々は、いわゆる情報センターをバクダッドに開いた。センターは、シリア、イラク、イランそしてロシアが有する情報伝達のために使われるだろう。これは、テロリストとの戦いを助けるものと考えている。」
このように述べたラヴロフ外相は、オバマ大統領がプーチン大統領の言ったことに耳を傾けると確信していると述べた。外相によれば「今回のロ米大統領会談は、大変建設的なものだった。ロ米双方は、ISに対する勝利という共通の目的に向け協力を続けることで合意した」との事である。