との質問に対しては、「我が国はそうしたことは絶対ない。これはすべての国に対して同じことだ」と語った。ロシアの専門家ヴォクトル・パヴリャテンコ氏は、菅官房長官の発言について、次のような見解を示している‐
「これは真実ではない。もし情報機関があるならば、その機関は自分たちの仕事を行わなければならない。日本には、情報機関がある。したがって日本は、他の国に対して諜報活動を行っており、官房長官は、ただ猫をかぶっているだけでなく、国民に誤解を生ませている。みたところ、日本の情報機関は統一されていないようだが、安倍首相の就任以来、日本は諜報分野で全ての力を結集し、外務省、防衛省、内閣、警察に付属する諜報機関の活動を調整するために、この件についても活動を始めた。もう一つの重要な方向性となったのは、スパイ活動の組織だ。このプロセスが完了したのか否かについては分からない。いずれにせよ、日本では米国のように、国の情報機関のトップを誰も任命しなかったということだ。そして、日本でいま諜報活動が行われているのか否かについて教えてくれる人も誰もいない。しかし日本で国の安全を守るために行われていることの論理や、国家安全保障戦略、国家秘密に関する法律、そして最近承認された集団自衛権の行使に関する法律などが物語っていることはただ一つ、日本が対外情報分野で活動を行っているということだ。そして、これは普通のことだ」。
「スプートニク」:日本はなぜ、中国で日本人スパイが拘束されたとする報道に神経質な反応を示したのか?
「すでに述べたように、菅官房長官は猫をかぶっている。しかしこれは、日本と中国の関係が、いま非常に緊迫していることに関係している。もしそこにスパイの要素が加わったなら、どうなるだろうか… このような状況では、否定した方がよい。もちろん、遅かれ早かれ、全ては明らかになるだろう。しかし、もしスパイの事実が証明されても、時が流れ、状況は穏やかになる。しかし、今、中国に対するスパイ行為を認めるのは、都合が悪い。安倍首相は米ニューヨークで、大勢の人々と会ったが、中国の国家主席とだけは会わなかった。これは日中関係が緊迫していることを物語っている。またその他にも、日本は平和活動に取り組んでおり、世界中でそのことが叫ばれているため、諜報活動を行っているということは、平和主義のイメージにもそぐわない。そのため日本は、否定することにした。しかし、日本が、あらゆる正常な国と同じように諜報活動を行っているのは明確だ。さらに私は、日本には情報機関ラインでの中国とのコンタクトがないのではないかと思っている。しかし、日中の政治関係が改善されれば、必然的に、このような具体的なケースでは、具体的な所轄官庁のレベルで合意するようになり、騒ぎやスキャンダルも起こらなくなるだろう」。