ところで日本が国連安全保障理事会常任理事国になる可能性は、どのくらい高いのだろうか? ラジオ・スプートニク記者は、この質問を、極東研究所のヴィクトル・パヴリャテンコ主任研究員にぶつけてみた-
しかし現在日本は、今度は、つい最近議会で可決されたばかりの集団的自衛権に関する法律を切り札に、米国に対し、我々は、あなた方の政策への支援を強化するため安保関連法を採択したのだから、今度はあなた方が我々を支持すべきだと求めている。とはいえ、安倍氏がさらに3年首相のポストに留まったとしても、日本のために国連安保理常任理事国の座を得られるかどうか、私には確信はない。」
ラジオ・スプートニク記者は、次にパヴリャテンコ主任研究員に「ロシアは確か、日本が常任理事国となることを支持するとほのめかした、と記憶しているが、これについてはどう思うか?」と聞いた-
「ロシアは単にほのめかしたのではなく、日本の常任理事国入りをはっきり支持した。私の考えでは、これは間違った立場だったと思う。なぜなら我々は、日本との難しい対話において自国の立場を弱めてしまったからだ。
1956年、当時のソ連は、国連に加盟したいとの日本の願いを支持したが、それによりソ連は、平和条約締結や領土問題解決についての交渉において、切り札を失ってしまった。その結果、日本の国連加盟を助けたが、平和条約も結ばれていなければ、南クリルに対する日本の領土要求も残ってしまった。
とはいえ現在、国連安全保障理事会改革に向けての動きは、やはり始まっている。日本以外にも、ドイツやブラジル、インドといった重みのある国々もまた常任理事国の地位を求めている。安保理事会拡大の際、それぞれの大陸の代表者を選ぶという原則でそれがなされるならば、アジアの常任理事国はすでに存在する。中国である。この中国が、日本の常任理事国入りに激しく反対していることはよく知られている。
第二に、常任理事国のとめどない拡大は、何も良い事をもたらさない。安保理は、非効率的なものになってしまう。それゆえ安保理拡大には、米国もロシアも関心がない。この点では両国の利益は一致している。それゆえ、国連安保理改革は、そう早急には進まないと言える。」
最後にラジオ・スプートニク記者は「中国は、日本の常任理事国入りに反対する理由として、日本が自ら戦争中に犯した罪を最後まで後悔しないばかりか、積極的に軍備を進め、将来的に平和への脅威となる可能性がある事をあげているが、国連総会で安倍首相は、改めて完全な核軍縮を目指す日本の立場を訴えた。これは日本が平和主義を標榜する印ではないのか?」と質問してみたー
「核軍縮は、日本が、世界で唯一の被爆国として様々な提案を示し、リーダー立場を占められる国際政治のテーマだ。とはいえ少なくとも中期的な展望として、世界でいかなる軍縮も起こらないだろうことは全く明白だ。しかし日本にとって、そうした状況では損をすることがない。むしろ有利だ。日本は自分の非核・平和という立場を堅持できるし、同時に自衛隊を国外に派遣する法律を採択することもできるからだ。」