「国境なき医師団」で看護士として働くゾルタン・ライオシュさんはクンドゥズの医療施設空爆について、次のように語っている。
「深夜2時ちかく、近くで爆発音がして目が覚めました。最初は何が起きたのかわかりませんでした。この1週間、私たちはどこかで爆発がおき、爆撃がなされているのを聞いていましたが、それはいつもここから離れた場所でした。ところが今回はすべて全く違っていたのです。」
病院職員らが何が起きたのか把握に努めていた間も爆撃は鳴り止まず、最初の爆発音から30分後、ライオシュさんは仲間の職員が傷だらけで血を流して倒れているのを発見した。
「助けてくれといわれました。あそこの安全な建物には基礎的な医薬品しかなく、彼の痛みを止めるためのモルヒネもありませんでした。私は力の及ぶ限りのことをしました。」
「見ると病院全体が破壊されていました。(中略)私たちは燃えさかる病棟のひとつに入ろうとしました。その中の様子はとてもお伝えできません。どんなに悲惨だったか。それを表す言葉がないのです。集中治療室では6人の病人がベットに寝たまま、燃えていました。」
生き残った医師らは協力して怪我人の手当てに当たろうとした。
「状況はあまりに切迫していました。目の前で仲間たちが死んでいきました。(中略)数人の医師たちはあまりのショックに自分が泣き叫ぶのをどうしても止められなかったのです。私たちは生残者への救急治療に集中しようと全力を傾けましたが、これは容易なことではありませんでした。自分の仲間が痛みと恐怖で泣いている。これを目の当たりにしているんですから。」
これまでの発表では、3日朝の空爆で破壊された際、クンドゥズの「国境なき医師団」の医療施設にはおよそ200人がいたとされている。ロイター通信の報道では、米軍の代表者はこれまで、米軍が「国境なき医師団」の病院の「付近」で空爆を行ったことを認めていた。4日までに入った最新情報では、死者の数は19人に達し、そのうち12人が「国境なき医師団」の職員で、このほかに児童が3人殺され、負傷者の数も30人を越えている。
3日、WHOは声明を表し、クンドゥズの病院への空爆はアフガニスタンにおける人道援助活動を危機にさらす危険性があると非難した。
NATOも病院爆撃事件の調査について声明を表し、事件が米軍の空爆の結果起きた可能性を除外していない。
「国境なき医師団」側も、クンドゥズの医療施設の座標については数ヶ月前にすでに米軍側に報告済みだったことを明らかにしている。ロイター通信が報じた。