ドヴォルコヴィチ副首相は、「時折、プロジェクトの資金調達の面で困難がある。なぜなら制裁によって、日本の銀行の中には、ロシアのプロジェクトに参加できない銀行があるからだ。しかし、それに代わる資金調達方法もあり、全ての人がそれを知っている」と語った。ドヴォルコヴィチ氏は制裁について、「(日本との協力に対する)直接的な影響は見られない」と述べた。
ロシア経済近代化に関する日露経済諮問会議は、2010年に発足した。5回目となる今回の会合では、省エネやエネルギー効率、医療、農業、ナノテクノロジー、都市環境やインフラ開発などの分野について協議された。
ドヴォルコヴィチ氏は、提案されたプロジェクトはロシアで実現を目指したものだが、日本にとっても興味深いプロジェクトがあると指摘し、それはロシアから特定の製品を輸出することに関連したもので、「農業、医療製品、木材製品などに関するものだ」と述べた。
またドヴォルコヴィチ副首相によると、会合では、「あまり伝統的な分野ではないが、現在、エネルギーや燃料エネルギー複合体などと比較した場合でも最重要視されている、医療機器の生産に重点が置かれた」という。ドヴォルコヴィチ
氏は、タタールスタンには、日本市場に進出した企業があると指摘し、「(モスクワ郊外の学術都市)スコルコヴォに、国際医療センターを創設するプロジェクトもある」と述べた。
なおドヴォルコヴィチ氏によると、廃棄物処理などのプロジェクトを推進するために、近いうちにもモスクワ市長が東京を訪問する。
またドヴォルコヴィチ氏は、「ロシアでは、アジア太平洋地域の国々などへ供給するために、肉や牛乳の生産を高める計画がある」と語った。