シリア軍の発表によれば、アル・バフサを占領していた武装戦闘員らは山間部に潜み、一般市民に対して狙撃を行っている。その数は最高で1000人で主にチェチェン人、ウズベク人。市内では銃撃が絶えないため、シリア軍人らは民間人の遺体を回収し、埋葬することもできない。殺害された者の多くは後ろ手に縛られており、拷問や銃撃を受けた跡があるという情報も入っている。町がテロリストらに掌握される前に家族を避難させたと語る地元民は、こうした傷跡について、テロリストらからの協力要請を拒んだために報復を受けた跡だと説明している。
武装戦闘員らはアル・バフサを掌握し、これを備蓄基地に変え、ここからハマの近郊へ攻撃を行っていた。現在、居住地区はほぼゴーストタウン化しており、かつて営みがあったことを感じさせる物は破壊された住居以外ない。発表では、シリア軍はこれから数週間の間にアル・バフサに隣接する山間地区を完全に開放し、住民が自宅に戻り、新たに生活を開始できるようにする構え。
アル・バフサは、国際テロ組織「アルカイダ」の細胞のひとつによって今年8月から占領されていたが、テロリストらはロシア航空隊の空爆に驚いて、ほとんど何の反撃も行わないまま、町を明け渡した。
これより前、シリア軍のスレイマン将軍は、政府軍はテロリストらの陣地に対してロシアのピンポイント攻撃が行われ、テロリストらの基地および武器庫が破壊された後、攻撃に転じたことを明らかにしている。