経団連に聞く:ビジネス環境の改善こそロシア経済回復の早道、ポテンシャルを実現していきたい

日本経済団体連合会(経団連)の日本ロシア経済委員会では、ロシア・ビジネスを展開する上での問題点や改善が望まれる課題を把握するため、日本企業を対象とするアンケートを2005年以降毎年実施している。また、とりまとめたアンケート結果はロシア政府ほか関係方面に提出され、ビジネス環境改善に寄与している。去る9月17日、2015年度の結果が公表された。今年の回答の傾向について、経団連日本ロシア経済委員会事務局にお話を伺った。

スプートニク:今年でアンケートは10回目になります。今回の結果はどのような特徴がありましたか。

「ロシア・ビジネスに対する見方として、「非常に有望」または「有望」と回答した企業が大きく減少したことが注目されます(2014年44.1% ⇒ 2015年15.6%)。ロシア・ビジネスを悲観的に捉える企業が増加した背景には、経済制裁や原油価格下落に伴う景気低迷、資源に依存する経済構造、政治的な要因に起因する高いカントリーリスクなどが挙げられます。こうした企業マインドを反映してか、「ロシア・ビジネスを今後拡大・強化していく」と回答する企業も、昨年の約半分から3分の1程度へと減少しました。」

スプートニク:それは残念です。日本企業はロシアの中でどの地域に関心をもっていますか。ロシアは、極東への投資誘致に力を入れていますが。

「有望と思われる地域に関しては、従来どおり、ヨーロッパ・ロシア部への関心がもっとも高く、回答企業の90%が有望とみなしている現状が明らかになりました。次に日本企業の関心が高いのは極東地域ですが、2007年以降着実な拡大傾向を示してきたのに今年は初めて減少に転じ、50%を切る結果となりました。新型特区の設置や東方経済フォーラムの実施などロシア政府の取組みを考えると不可解に思われるかもしれませんが、日本企業が必ずしも過度の期待を抱いていない実態が詳らかになった形です。」

スプートニク:ロシアは、日本にとってビジネスパートナーとしてのポテンシャルはあるものの、投資実績はまだ十分ではないようです。

「現在、ロシアにとって日本は輸出・輸入とも6位のパートナー、逆に日本にとってロシアは輸出で14位、輸入で12位の貿易相手国に過ぎません。また、日本の対ロシア直接投資は昨年3億ドルを割り込むなど、日本企業のロシアに対するスタンスは依然として慎重と言えます。昨今のルーブル安やインフレ等に伴うロシア国内の消費マインドの低迷なども影響したとは言え、両国の経済力や市場規模、地理的近接性等を考慮すれば、貿易・投資とも、未だポテンシャルが十分活かされているとは言えません。」

スプートニク:ポテンシャルを実現していくためにはどうすればよいでしょうか。また、日ロ経済の今後の見通しについてお聞かせください。

「今年のアンケート結果によれば、日本企業の多くが、ロシアでのビジネス展開を阻害する要因として、行政手続きや法制度、輸出入手続き等を指摘しています。これらの阻害要因が改善されることによって、両国間に存在するポテンシャルを実現していく道筋が明らかになるものと期待しています。経団連では、こうした率直な意見をロシア政府はじめ関係方面と共有しつつ、ロシア政府が目指す経済近代化への日本企業としてのご協力のあり方などについても、真剣に検討しているところです。折しも、本年は経団連日本ロシア経済委員会の前身である日ソ経済委員会が発足してから半世紀という節目の年でもあります。年内にも実現が期待されているプーチン大統領の訪日の暁には、大統領ご列席の下、第14回日本ロシア経済合同会議を開催し、両国の経済関係の一層の拡大と深化に向けた契機としたいと考えています。」

「ロシアのビジネス環境等に関するアンケート(2015年度)結果」

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