この問題について、ラジオ・スプートニク記者は、ロシア最高経済学院の専門家、アンドレイ・コロタエフ氏に話を聞いた―
「出生率の低下という問題は、決して日本や欧州だけの問歳ではない。なぜならタイやイランでも見られるからだ。出生率が非常に低い事から、年齢構成に歪みが生じ、年金生活者の数が急激に増え、若者の数が減少している。」
「労働移民の流れは、すでに形成されていた。トルコからドイツへの大きな流れがあった。この例には、様々な特質がある。現在トルコ人は、社会の大きな部分を占めている。彼らは、ドイツに残り、労働移民から完全な社会の一員に変わった。また北アフリカからフランスという移民の流れがある。アルジェリア出身者は、フランスの移民問題のかなりの部分を占めている。フランスに受け入れられたアルジェリア人の子供達は、自分達の祖国に住んでいるとは感じられずに、定期的に自動車を放火したりするなど、暴動を起こしている。さらに欧州南部全域は、気候が温暖で、農業の働き口が多いために、大量の移民問題にさらされている。」
出生率の低下、人口の老齢化、移民の増加といった問題には、絶えず注意が向けられ、様々なレベルで話し合われている。しかし、大きな注意が向けられていない他の問題も存在している。ロシア最高経済学院のコトタエフ氏は、次のように指摘している―
もしこの熱帯アフリカ地域で、政治的・人口動態学的崩壊が進めば、完全にこの地域では、マルサス(イングランド出身の経済学者。古典派経済学を代表する経済学者)が説いた人口論の中に出てくるような崩壊が起こる。最近、そうした崩壊が起きたのは中国だった。19世紀の末、いわゆる太平天国の乱がおき、1億1800万人が命を落とした。そうした崩壊の死者は数百万単位であり、今我々が目にしている人口爆発の『波』などは、子供のおしゃべりのように聞こえるだろう。」
世界は、その解決が迫られる、一度にいくつもの困難に直面している。特に高齢化問題は、より良い生活や仕事を自分が生まれた国から遠いところで見つけたいという願望と、密接に絡み合っており、何百万のナイジェリア人やタンアニア人の熱い血、そして、この地上に生まれ出るはずの他の多くの熱い血と関係しているのだ。