この裏には何があるのだろうか? イラクは米国に気兼ねしてるのだろうか? それとも、議会の中に、ロシアの軍事支援に異議を申し立てる議員がいるのだろうか? ラジオ・スプートニク記者は、こうした質問をイラク首相の公式スポークスマンを務めるサアダル-ハディティ氏に、直接聞いてみた―
「イラク、ロシア、シリアそしてイランの間には、テロリズムと戦う際に、情報を交換し努力を結集するためのセンター設立に関する合意が存在する。どの国も、自分ができる形で、テロ組織『IS』に対し戦っている。ロシアは『IS』との戦いに関心を抱いている。なぜならこの組織には、ロシア人もかなりの数入っているからだ。
イラクとロシアの間では、複数の契約が結ばれており、我々は、その実現に取り組んでいる。他の協力分野について言えば、それは状況次第であり、ハイダル・アル=アバーディ首相の決定、イラク軍の状況、イラクの新しい防衛政策、さらにはこの地域におけるイラクの国益に左右される。
また米国を恐れているのではないか、という見方について言えば、イラクと米国の間の協定の中には、我々が、他の国々と軍事協力に関する合意に調印してはならないとか、自国の軍隊の行動を外国の軍隊と調整してはならないなどといった文言はない。
イラク駐在米国大使や、その他米国政府の高官も、イラクは、独立国家であり、自由に決定を下すことができると再三述べてきた。それゆえ、我々は、世界のどのような国とも、我々にとってあらゆる必要な形で関係を確立する事ができる。 ロシアに対し軍事支援を公式に要請する問題は、イラクの内閣では話されておらず、ロシアと軍事行動を調整する事に向けた決定を、イラク政府は下してはいない。」