ロシアは、シリアでの作戦が重大かつ重要であることをよく理解している。少なくともあらゆる報道は、テロリストの拠点、燃料保管庫、司令拠点、軍事機器の破壊など、ロシアのパイロットたちの行動が結果をもたらしていることを裏付けている。西側でロシアのこのような結果に期待していた人は少ない。黒海・カスピ海地域政治社会研究所のウラジーミル・ザハロフ所長はその理由として、まず長い間ロシアを中東方面におけるこれほど積極的なプレーヤーとみなした人はいなかったこと、2つ目に、西側は最近、ある種の神話の虜となったことを挙げ、次のように語っている-
「西側では最近、ロシア軍は崩壊し、今はもう存在していないと、非常にたくさん報道され、語られていた。西側の人々は、自分たちが語ることは全て真実だと思っていた。しかしロシアが、米国にもNATO加盟国にもない兵器を所有していることが分かった。この兵器の使用法、すなわちスキルの習得が非常に重要だ。ロシアはそれを示した。そして今語られているのは、ロシアが一般市民を爆撃しているということだが、これらは全て嘘だ」。
ロシアは、自国の行動を同盟国と連携させるだけで、シリアにおけるテロ組織「IS(イスラム国)」との戦いで成果を達成することができるだろう。サンクトペテルブルグ大学のアレクサンドル・ソトニチェンコ助教授は、ロシアはこの作戦で重要な役割を果たす用意があるとの考えを表し、次のように語っている-
「この作戦でロシアとその同盟国が勝利するための唯一の可能性は、イランと共に尽力し、非常に緊密な連携を取ることだ。ロシアは、作戦が始まるずいぶん前に、テロリズムに勝つためには、シリアでISに対して空爆を行うだけでは不可能だと何度も発表していた。これは正しい。そして今、ロシアに反対する多くの人たちは、空爆だけで勝つつもりなのか?あなた方は自らそれは不可能だと言っていたじゃないか?と語っている。行われているのは空爆だけではない。我々は最新の技術で空中から支援する。ロシアには非常に強力な空軍がある。そして地上作戦は、シリアのアサド大統領の政府軍、ならびにイランとレバノンの運動体ヒズボラによる同盟が行う。このように全種類の部隊が存在している。重要なのは、我々が尽力を連携させることだ。そうすれば成果を達成することができるだろう」。
シリアでの作戦は、ロシアが自らの行動によって2つの目的を追求していることのさらなる証拠となった。ロシアの2つの目的とは、法秩序の維持と、普通の生活を送るための条件作りだ。シリアはこの2つを必要としているが、他の多くの国はこのような結果を必要としてはおらず、ロシアの行動を必死になって妨害しようとするだろう。