米スタンフォード大のマーシャル・バーク氏は語る。「これまで、年平均気温と経済生産性の関係は線形であり、『気温の上昇に対する反応はいずれの国でも変わらない』と考えられていたが、実は全くそうではない、ということが分かった」。
バーク氏の研究チームは166カ国を対象に、1960年代の科学革命から現在までに収集された経済統計を分析した。
その結果、経済効率が極めて非線形な動きを示すことがわかった。気温が上がると経済生産性は上昇するが、理想点である13度を過ぎると生産性は急速に低下していく。興味深いことにこの法則は現在も有効で、農業経済、工業経済、ポスト工業経済のいずれをもよく説明する。
この法則に基づけば、気候変動と地球温暖化が経済にもたらす影響はこれまで考えられていたよりはるかに強力であると考えられる。