先に、国防予算案は、米議会両院により可決されたが、その後すぐオバマ大統領は「自分は、署名しない。なぜなら法案は、議会内において民主・共和党の間で予算案に関する、より幅広い合意が結ばれていないのに、次の財政年度で約900億ドルもの軍事支出の増加を予定しているからだ」と述べていた。米国議会両院は、現在共和党が多数を占めているものの、大統領の拒否権を覆すに十分な議席はない。
国防予算案は、特に、ウクライナに、武器・弾薬・無人機・対戦車兵器や迫撃砲など、軍事及び諜報領域での援助として3億ドル拠出することを規定している。こうした資金が供与されるとなれば、米国防総省と国務省は共同で、どのような形でそれをするかを決めなければならない。
ロシア議会上院・連邦会議・国防安全保障委員会のフランツ・クリンツェヴィチ委員長は、こうした状況を、以下のようにコメントしたー
「オバマ大統領が、彼がそのために挙げた理由の如何にかかわらず、こうした法案に拒否権を行使した事実自体『プラス』として評価できる。なぜなら、アメリカがウクライナに武器を供与すれば、ドンバスでの状況悪化は避けられないからだ。ミンスク合意実現の途上で、深刻な障害が生じてしますう。」