22日、モスクワ中心部にある有名書店「ビブリオグロブス」で、この本のプレゼンテーションが開かれた。この本は、傑出した東洋学者で、朝鮮の専門家であったナターリヤ・バジャノワに捧げられたものだ。なおプレゼンテーションに先立ち本書は、韓国のパク・ロビョク駐ロシア特命全権大使やキルギスの初代大統領でモスクワ大学教授、そしてロシア科学アカデミー会員でもあるアカーエフ大統領など、著名な外交官や政治家、内外の学者らが出席したロシア外務省外交アカデミーでも、紹介された。
このプロジェクトを立ち上げたのは、外交アカデミーのエフゲニイ・バジャノフ氏で、国際関係や世界の政治及び経済、国際法を研究しているロシアの学者達に関する本を、シリーズとして刊行を始めた理由を、次のように説明しているー
「刊行の動機は、いくつかある。まず第一に、我々の同僚の思い出を残したいという強い思いだ。チャーチルは『文明人と野蛮人の違いは何か。文明人は、自分の過去を覚えているが、野蛮人は、自分の過去など気にしない。芸術家や画家や歌手達は、非常にしばしば自分達の先達を思い出す』と述べた。そうしたことについては、新聞に書かれているし、ラジオやテレビでも話されている。もちろんそれらは、社会全体にとって興味深いものだ。国際学者は、社会全体にとって、それほど興味深くはないかもしれないが、同僚にとっては、興味深いものである。
第二の動機は、我々が単に、先人のことを思い出そうとしないこと、彼らの思想や、勧告、警告、予測を思い出そうとしないことだ。世界のすべては、繰り返されており、先人の考えは、我々が直面している困難を克服する助けになるゆえに、刊行を決めたのだ。
中国の同僚が行った言葉を思い出す。彼は『自分の「気」を強めるために、中国の国際学者は、先人に関する書籍を刊行するのだ』と述べた。又日本の同僚は『「和」を強化するために同じ事をしている』と述べた。それではロシアはどうか、我々は、自分達の『気』と『和』を強めるために、このシリーズを刊行するのである。
それ以外に、このシリーズは、国際関係学の権威を高め、国際舞台でのその立場を強化するための宣伝としても使われるだろう。
新しいシリーズは、国際関係学の人気を促し、この容易でない活動領域に才能ある若者達を引き入れる助けとなるよう、期待できるものと私は考える。」