ウッズホール海洋研究所(米国)のサルヴァトーレ・セルチオ氏は、次のように発表した-
「近年、大勢の人がツノシマクジラを目撃したと伝えたが、それらはいずれも確認されなかった。ツノシマクジラは、陸から非常に離れた海域に生息しており、体長は約10-11メートルとあまり大きくないうえ、水しぶきも上げないため、気づくのが難しい」。
セルチオ氏とその同僚は、マダガスカルの東岸周辺で毎年行っている海洋遠征の最中にツノシマクジラを目撃し、その生態を研究することに成功した。なおセルチオ氏によると、同氏らの学者グループは、2011年にツノシマクジラを初めて目撃していたが、その時は若いニタリクジラだと考え、十分な注意を払わなかった。
2013年、学者たちが観測回数を増やし、クジラの各個体を詳細に観察するようになったとき、実はニタリクジラであることが分かったという。海洋学者たちはこの2年間で、ニタリクジラの写真を撮り、組織サンプルを収集し、個体ならびに群れとしてのクジラの行動を観察した。学者たちは合わせて44家族の動きを観測し、DNAと皮膚のサンプルを入手した。
学者たちは11月にマダガスカルに戻り、新たな観測を開始する計画。学者たちはニタリクジラが互いに交流する時に使用している音を解明したり、ニタリクジラの生息を脅かすものがあるかなどを評価する予定だという。