以下、その概要を紹介する。
ウィーン会合ではロシアのラヴロフ外相とヨルダンのナセル・ジョッド外相がシリアにおける両軍の行動の調整について合意した。両者は対テロ作戦に関する情報を交換する意向。ヨルダンの空爆作戦は昨年9月に始まっており、のち米国の有志連合の一員になった。しかしウィーンで結ばれた合意により、ヨルダンはロシアと接近することになる。
ロシアはシリア問題の「軍事的切り札」となっている。米国政府によれば、ロシアをシリア危機解決の主役とすることにより、ウクライナ問題の「戦犯」として米欧に「懲罰」されたプーチン大統領が国際舞台に復権してしまう。
一部識者によれば、米露はシリアにおいて「遠隔戦争」を行っている。アサド軍はロシアから空中支援を受け、蜂起勢力の掃討を行っている。その蜂起勢力の一部はCIAから武器や訓練を受けている。しかし、ロシアが自らの作戦が功を奏していることに喜んでいる一方、米国率いる有志連合はこの1年の対テロ作戦で何らの成果もあげていない。米国は、ロシアの空爆はIS拠点とは別の場所を狙ったものだ、との主張を繰り返している。