ロシアのラヴロフ外相は会談を総括し、「協議に参加している4カ国では、シリア情勢解決に関する外部からの効果的な支援を確保するには不十分であり、グループを『1ダース』まで拡大し、参加者を増やすことが可能だ」と述べた。ラヴロフ外相によると、エジプト、ペルシャ湾岸諸国、アラブ連盟、イスラム協力機構、そしてイランなどが和平プロセス支援に加わることが可能。なお米国のケリー国務長官は、ラヴロフ外相のこの提案に肯定的に応じ、「イランに参加を提案することができる」と伝えた。またロシア外務省によると、ラヴロフ外相は24日、イランのザリフ外相と電話会談した。ラヴロフ外相は電話会談で、ケリー国務長官ならびにサウジアラビアとトルコの外相とのシリア危機解決に関する会談結果を伝えた。ロシアとイランの両外相は、「シリア情勢の迅速な正常化を目指す国際的な尽力の調整を、イランやエジプトなどの国をシリア政治プロセスの外部からの支援に加えるなどの方法で拡大する必要性を強調した」という。
「当然のことながら、イランは中東地域で大きな影響力を持っている。これは西側にも、米国にも、そしてロシアや地域の他の国々にとっても明らか、かつ明確なことだ。もしイランが、いずれかの問題解決に向けた地域のプロセスに参加しなければ、私たちは現在、今よりもさらに危険な全く別の世界で暮らしていだだろう。シリア紛争が始まってから4年が経過し、我々は、欧米諸国、あるいは複数のアラブ諸国の努力が、いかなる結果ももたらさなかったことを目にしている。その反対に、むしろシリア難民が大幅に増えた。また『IS(イスラム国)』と呼ばれるものが出現してから、状況はさらに悪化した。
国際社会は、この長引く危機に少しでも早く終止符を打つ必要があるとの結論に達した。その結果、ロシアは、イランの戦略的ならびにイデオロギー的サポートのもと、シリアで空からの対テロ作戦を開始した。また尊敬するラヴロフ外相は、シリア危機の解決で、イランがさらに効果的な役割を担えることを非常によく理解している。イランは常に紛争の平和的な解決プロセスに積極的に参加し、今も、シリアだけでなく、バーレーン、イエメン、イラクなどでの平和的な紛争解決に積極的に参加する用意がある。
しかし残念ながら、全ての国、もちろんそこにはサウジアラビアが含まれるが、イランが紛争の解決プロセスに貢献することを、全ての国が望んでいるわけではない。そのため、和平プロセスへのイランの参加を、あらゆる手を尽くして妨害している。しかしシリア情勢が著しく悪化した今、米国でさえも、イランがシリア危機の解決プロセスに加わることを望んでいる」。
またタイエリ氏は、ロシアの外交的努力を特に強調し、ラヴロフ外相は常にイランの戦略的に重要な役割を、十分な根拠をもって国際社会に証明しようとしていたと指摘し、次のように語っている-
「ロシアがシリアでISを含むテロリストらとの戦いに直接参加したあと、ロシアにとっては、この紛争解決におけるイランの役割が、どれほど重要かつ効果的なものになる可能性があるのかが、さらに明確になった。ロシアは常に、イランのシリア問題に関する戦略を非常によく理解し、同盟国としてイランの立場に同調していた。地域におけるイランの強い政治的ポテンシャルを考慮した場合、特にシリア問題の解決において、ロシアは、イランが実際にその重要な役割を果たし、シリア危機解決に関するこの複雑なプロセスに加わることを望んでいる。加えて、ISのような、地域全体にとっての深刻な脅威が存在している。そのため、すでにシリア危機は、できるだけ早急に解決する必要のある、国際問題に発展した」。
ウィーンでシリアに関する会談が開かれたのは23日。4カ国外相会談には、ロシアのラヴロフ外相、米国のケリー国務長官、サウジアラビアのジュベイル外相、そしてトルコのシニルリオール外相が参加した。