思いやり予算、米軍支出項目を検査して削減していくべき

© Flickr / Japanexperterna.se日本、ウクライナに1080億円を供与
日本、ウクライナに1080億円を供与 - Sputnik 日本
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今年始め、アメリカは国防予算の削減に伴い、欧州で約15か所の米軍基地及び施設を封鎖することを発表した。しかし日本にある基地や施設については対象外だった。これは日本政府が駐留米軍に対し大規模な財政負担をしているため、国防予算が削減されようとも、基地運営に影響はないからだ。日米地位協定では「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と明記されているが、実態はそうではない。

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現在、来年度の予算に組み込まれる「思いやり予算」つまり在日駐留米軍経費の改定について、日米間で交渉が行われている。日本側は、基地内娯楽施設の従業員の人件費1164億円はなんとしても減らしたい構えだが、アメリカは増額を要求しており、議論の行き先は不透明だ。この問題について、琉球大学法科大学院・高良鉄美(たから・てつみ)教授に見解を伺った。

「国民は、思いやり予算が私たちの税金である、と強く認識するべきです。国民は納税者として、これだけの支出が必要なのか?それを支持できるのか?ということを検討しないといけません。しかし自分には関係ない、というのが一般的な感覚のようです。国民の意識が非常に重要ですから、米軍の支出項目に無関心になってはいけません。日本の会計検査院が入って、どういう支出があるかを明らかにし、『こういう問題があるので削減していきます』ということを説明すべきです。今は支出の内容にあまりにも不透明なところが多すぎて、説明責任が果たされていません。これが国民の税金であるかぎり、財政民主主義を明確に打ち出すことが必要です。」

また、高良教授は、安全保障関連法が成立したことにより、沖縄で今後予想される負担の増大について、次のように述べている。

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「安保関連法は日本全体に影響がある話のように思えますが、実は集団的自衛権を容認する、という点で言えば米軍との協力が前提ですから、海外に展開するにしても沖縄の米軍基地と自衛隊の活動の問題が関連してきます。つまり米軍基地を自衛隊が使用するということが、沖縄の中で非常に活発になってきます。

沖縄問題というのは本来、米軍基地の問題が市民生活に大きく影響している、というのが論点の中心でした。しかし今回、米軍の駐留による重圧を減らす、米軍が本土へ移るということでなく、自衛隊が沖縄の米軍基地の方に来るということです。日米の軍事的協力により、もともと重かった基地の重圧が更に増えます。例えば既に、自衛隊の基地を宮古島・石垣島・与那国島に建設していくような動きがあります。沖縄戦の経験からも、自衛隊と米軍が生活の中に入ってくることについて、住民の抵抗感も大きくなると思います。

一方、本土の状態はあまり変化がないと思われます。なぜなら、大規模な戦争状態の発生なら別でしょうが、日米共同訓練ということでは、本土の演習場を含む自衛隊基地は広大で、基地の存在は市民生活にあまり大きな影響を与えないと考えられるからです。沖縄では、安全保障関連法が成立する前から、すでに同法を先取りしたような日米共同の軍事訓練による事故が発生しています。今後は同様の事故が増えていくでしょう。ますます沖縄の負担が大きくなります。政府は沖縄の負担を減らす、と言っていますが、これは口先だけになってしまっています。」

 

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