イランの政治学者でイランのアラビア語新聞「アル・ヴァファグ」の編集長、マサイェブ・ナイミ氏はスプートニクに対し、ISが石油の売却で相当な利益を挙げているのは確かだ、とした上で、石油を誰に売っているのかについて語った。
「世界にオイルのブラックマーケットが存在することは確かだ。ここで特に注意すべきは、石油の販売ルートだ。もしISに販路がなく、また販売についてトルコからの支援がなかったなら、シリアやイラクの石油が他国に供給されることもなかった筈だ。トルコ、または他の仲買人が、ISの石油を廉価で買い上げているのだ。彼らがどうやってISの石油を親欧米の顧客に販売するルートを開拓したのか、という点が問題だ。ここで仲介役を果たしているのがイスラエルである。これら石油仲買人、およびISの石油販売に物流上の便宜を与えている国々は、そのことをもってテロ組織の活動を助長しているのであり、『シリアの主権と安全を守るために必要な措置を取っている』などと主張する権利はない、と断言できる」
イランの政治学者でイラン紙「イラン・プレス」の編集主幹、エマド・アブシェナス氏は、テロ組織が闇市場に格安の石油を供給するために、世界中の石油銘柄が値下がりしている、と語る。
「ISの活動は世界的石油安の主因の一つである。テロ組織はトルコ、ヨルダンの闇ブローカーに国際標準の半額という安値で石油を販売している。トルコにはそうした石油を今度はイスラエルに転売する業者がいる。この3カ国の石油密売人らが石油を今度は第3国に不法に売却する。しかし、ISによる石油密売が最も盛んに行なわれているのは、やはりトルコである」
また同氏は、ISはまた臓器売買によっても多額の利潤を得ている、と語る。
「ISの資金源のひとつが人間の臓器の販売である。野戦司令官は次のような行動を任務内のこととして許されている。すなわち、ISの思想に共鳴しない人の臓器を生きたまま取り出し、ブラックマーケットの密輸業者に売却する。そうした活動によってISは莫大な利潤を上げている」