記者会見で、ラヴロフ外相は「交渉参加者は、テロリストがシリアの権力を奪取することを許さない」と強調した―
「ケリー国務長官は、シリアで起きていること、シリア国民がどんな苦しみに身を委ねざるを得ないか、どれだけの血が流され、どれだけ多くの人が自分の故郷や家族を失ったか、について多くを物語った。我々は、こうした状況を終わらせたいと欲しており、テロリストがこの国で権力を握るのを許すつもりはない。」
このように述べたラヴロフ外相は、さらに「ロシアと米国の任務は、テロ組織IS(イスラム国)がシリアでも、又他の国々でも権力の座につかないようにすることである。ウィーン会合の参加者らは、IS以外にシリアで活動するテロ組織のリスト作り合意にむけ、追加的な協議を行う」と伝え、次のように続けた―
「我々は取り決めをし、それは共同声明の中で反映された。我々は、国連安保理事会がテロ組織と認めるIS、その他の武装グループと断固とした不屈の戦いを行うと共に、今のところまだ国連のリストには入っていないが、明らかにテロ集団であるような他の組織をリストに加えるために、追加的な協議を実施する。」
このように伝える一方で、ラヴロフ外相は又、ロシア政府が、これまで同様、アサド大統領の運命、シリア国家の今後について、すべてはシリア国民が決定すべきだと主張している点に注意を促した。
ウィーンでのシリア問題に関する交渉の次のラウンドは、2週間後に開かれる予定だ。今のところ、どういった形でシリア国内に秩序を確立すべきかについて、交渉参加者の間では意見が分かれている。西側やサウジアラビアは、アサド大統領の退陣を強く求めている。彼らは、アサド大統領が退陣して初めて、暫定政府を作るべきだと主張している。一方ロシアとイランは、シリア問題調整は、まず第一にシリア国民自身の仕事だとみなしている。これに関連し、ラヴロフ外相は、次のように述べた―
「我々は皆、シリアの統一と独立、領土保全そして国家の非宗教性(世俗国家体制)を保障し、その国家機構を維持することに向け、互いに協力することで合意した。属する民族や信じる宗教には関係なくあらゆるシリア人の権利は守られ、保障されなくてはならない。又、生活窮乏者への人道的アクセスも保障されるべきである。又難民や国内避難民への援助も増やされなければならない。」