カザフスタンのトゥルガイで発見された地上絵は、四角、線、十字、またサッカー場数個分に相当する円などで、これらは高いところからでなければ全容を見ることができない。ニューヨーク・タイムズ紙が伝えた。なおこの地上絵は、約1万年-6000年前のものではないかとみられている。他の場所で見つかった地上絵は中世時代のものであるため、これは世界最古の地上絵となる。
学者たちは、地上絵の模様について、紀元前7-5世紀に同地で栄えたマハンジャルスク文化と関連しているとの見方を示している。一方で学者らは、この場所には以前、遊牧民しか暮らしていなかったと考えられていたが、これほど巨大な地上絵を描くためには長い時間が必要とされ、遊牧民が一つの場所に長期にわたって暮らしていたとは考えづらいため、より高い文明を持った人々が住んでいたのではないかとの見方を示している。
考古学者のペルシス・クラルクソン氏は、カザフスタン、ペルー、そしてチリで発見された地上絵は、初期遊牧民の生活に関する認識、したがって定住共同体の発展に関する認識を変えると指摘している。
なお考古学者たちは、カザフスタンの地上絵を調査するために無人機を用いる計画。しかし今年、建設作業により、地上絵の一部が破壊されてしまったため、学者たちは調査を急ぐ必要がある。
現在カザフスタンの地上絵は、ユネスコの世界遺産へ申請中。