事故の正確な原因は現時点で不明だが、いくつかの説が上がっている。
技術的問題
リアルタイムで空の便を追跡しているポータル「フライトレーダー24」によれば、ロシア機は18年間現役で就航していた。「コガルィムアヴィア」社によれば、工場規則に基づく点検は2014年に行われており、また、フライト前の点検については、適時に、かつ完全な形で実施されていたという。
一方、事故の当日、パイロットが航路の変更とカイロ空港への着陸を申請していた、との情報も上がった。NTVテレビが第二パイロットのセルゲイ・トルハチェフ氏の元妻の言葉として報じたところでは、同氏は離陸前、技術的な不具合を訴えていたという。
攻撃
マクシム・ソコロフ運輸大臣もこの説を否定している。信憑性に欠ける説だという。また大臣は、あわせて、事故の原因については、国際捜査が完了してから初めてうんぬんできる、と述べた。
一方AFPは、ISの犯行声明のあと、欧州の大手航空会社、具体的にはドイツのルフトハンザ、フランスのエールフランス、そしてエミレーツ空港が、シナイ半島上空の飛行を中止する決定をとった、と報じた。安全性への配慮からの決定という。
しかし英国の大手航空会社、イージージェットは、ルートの変更予定はない、としている。ブリティッシュ・エアウェイズもまた、シャルム・エル・シェイクへのフライトは続ける、としている。
「タイム」誌は、テロ組織の犯行声明は「ほぼ確実に架空のもの」だとしている。「自己宣伝のチャンスはテロ組織にとってあまりにも魅力的であり、つい手を出してしまったものだろう」という。
人的要因
しかし「コガルィムアヴィア」社は先に、事故機の機長であるワレリイ・ネモフ氏は経験豊富な飛行士であり、総フライト時間は1万2000時間にのぼり、うち3860時間をエアバスA321に費やしている、としている。
また、エジプトに墜落した「コガルィムアヴィア」社のA321機は、サマラからシャルム・エル・シェイクへのフライトの前、問題なくフライト可能と診断されていた。沿ヴォルガ輸送検察局のマイヤ・イワノワ報道官が述べた。
一方ロシア連邦航空輸送庁は、現時点で事故が技術的な不具合によるものか、それとも乗員のミスによるものか、それとも何らかの作用によるものか、いずれと断定するのも根拠薄弱である、としている。
「現時点で事故の状況について十分な証拠はなく、何らかの説を挙げ、また論じることには意味がない」と航空輸送庁。