シリアのラッカ地方には油田があるという。
「ISはこれら油田を占拠し、バルザニ側近らやトルコ人ビジネスマンらとともに販売を行なっている。私は現職時代にこの問題の調査に着手し、昨年、国連安保理に報告書も提出した。安保理はのちに調査の指揮を執るようになった。報告書の中には、当初の石油売却益は8億ドルで、それがのちに10~20億ドルに増大した、と記されている。この調査は今も続けられている。ISは支配領域で石油を採掘し、それを売却しているのだが、これにトルコ・イラクのビジネスマン27人が直接参加している、との情報もあり、イラク政府としても色々と手を打ち出している。おそらく国連は、イラク・トルコの指導部に対し、問題のビジネスマンのリストを渡しているだろう。今この瞬間も石油の取引は行なわれ、ISが莫大な利益を得ている。石油はトルコから地中海に流れ、そこから世界各地に運ばれていく」。
メフメト・アリ・エディボグル氏はまた、有志連合のIS対策は効果を挙げていない、と強調する。「ジハード主義者らは有志連合のシリア空爆で何らの損失も出していない。おそらく事前に有志連合の空爆計画を入手しているのだ。ロシアの空爆作戦はそれよりはるかに大きな効果を挙げている。空爆開始以来ISは深刻な損害を出すようになっている。おそらくこれから数ヶ月のうちにシリア政府はシリアの国土の大半を奪還できるのではないか。今後もロシアが活発に行動し、空爆に地上作戦が加わったなら、ISはついに完全敗北を喫するだろう」