地元紙「イルタレフチ」記者らによれば、ヘルシンキ近郊のヒュヴィンキャ市にムスリム難民300人を収容予定の施設がオープンした。これは慈善団体Luona oyがフィンランド南部に開いた8つの施設のうちの一つである。
ヒュヴィンキャ市には既に100人以上の難民が到着している。当局によれば、難民たちは別段、問題を起こしてはいない。しかし、自分たちがどこに収容されるのかを知ったとき、彼らがどう振舞うかは分からない。ただし、この施設の歴史的経緯については、地元の宗教指導者にはよく説明がなされている。収容施設の施設長、ミリヤ・サクシ氏は、宗教指導者と「事前協議」を行なった。結果、その宗教指導者は、問題はない、と判断した。というのも、いわゆる豚農家の養豚場と違い、この施設で行なわれていたのはあくまで豚の調査と研究であった。
「この学究施設は2年前に稼動を停止し、もう豚をにおわせるものは一切残っていない。収容センターの過去の経緯について難民に話すべきかどうか、判断はついていない。ただし、別段隠し立てするようなことも何一つないのだ」とサクシ氏。特にいま難民が暮らしている部分はもと管理施設で、作業員が休憩したり、研究を行なったりする場所であり、もとから豚がいた場所ではなかった、という。
専門家の中には、ムスリムは豚をけがれた生き物と見なし、それに触れたり、食したりすることは禁じられており、地元当局は近い将来、深刻な問題に直面する可能性がある、と言う人もいる。