ロシア人専門家:中国は核兵器保有量の管理に関する古いアプローチを見直した

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一連のマスコミは、中国が近いうちにも、核ミサイルを搭載した潜水艦の初の「戦闘準備パトロール」を開始、あるいはすでに開始したと報じた。このようなパトロールは、これまで延期が繰り返されてきた。間もなく中国がパトロールを開始する可能性があると初めて発表したのは、米海軍情報局(ONI)で、2013年のことだった。

以下、ロシア戦略分析技術センターのワシリー・カシン専門家の見解をご紹介する。

核ミサイルを搭載した中国の新たな094型潜水艦の「戦闘準備パトロール」の開始は、中国が、核爆弾の保管や核兵器保有量の管理に関する古いアプローチを見直したことを意味している。比較的最近まで、中国は、中国にとっては一般的な慎重さをもって、平時は、ミサイルから外された核弾頭を保管していると考えられていた。

安全性と事故防止の観点から見て、中国は、核保有国であることを公式に認められている国の中で、最も責任感が強いと思われる。中国人は、特に重要な技術プロジェクトを実施する際に、安全性とあらゆる不測の事態を避けることに大きな関心を払うという特徴がある。これは、例えば、中国の宇宙プログラムでは、事故の発生率が非常に低いことなどで証明されている。

なお、中国を、ロシアと米国が行っているように、核戦力を戦闘準備態勢に置くことへ移行させたのは、状況の変化だと思われる。しかしこれが、中国人民解放軍・第二砲兵部隊の地上配備ミサイルにどの程度まで影響するのかについて述べるのはまだ難しい。

戦略核戦力の制御を行うはるかに近代的なシステムが稼働することは必然的だ。このシステムは、例えば、超長波による無線通信などを使って、水中に潜っている核ミサイルを搭載した潜水艦に、核兵器使用の指示を伝えることができるというものだ。入手したわずかな情報を基に考えた場合、中国の潜水艦発射型大陸間弾道ミサイルJL-2は、南シナ海の通常のパトロールエリアから、米国本土の目標を破壊するためには射程距離が足りないと思われる。しかしJL-2は、アジアにおける米国の全ての基地と同盟国に脅威を与えることができる。今後、中国の海洋配備ミサイルの改良版では、恐らく射程距離が延びるだろう。また中国は、南シナ海のパトロールエリアに対する管理体制も変えることになるだろう。この変更の開始が早ければ早いほど、我々が、同海域における中国の船舶や航空機の活動の高まりに直面するのも早くなる。中国が南シナ海で建設している人工島は、当初から、中国人民解放軍海軍が同海域をより厳密に管理し、船の安全性を確保するのをサポートすることを目的としていたと考えることができる。今後、南シナ海で活動する他の国の船隊は、同海域におけるあらゆる軍事的出来事がきわめて高くつくことを考慮しなければならない。最悪の場合、ミスや偶発的な軍事衝突が、私たちの世界を危険にさらす極めて危険な核危機の発端となる恐れがある。

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