プーチン大統領はロシアはこうした新たな金融制度の作業に積極的に参加していることを指摘した。特に春、ロシアはBRICS銀行についての合意を他に先駆け批准した。16日、マニアでのAPECサミット開幕前日、メドヴェージェフ首相はロシアではアジアインフラ投資銀行開設合意の批准は議題にすでにあがっていることを明らかにした。首相は、アジアインフラ投資銀行に参加することで極東プロジェクトに資金を呼び込むことができ、アジア太平洋地域諸国との経済関係を強化できると語っている。
「こうした銀行の開設は実際、突破口となった。国際金融システムは米国主導の銀行に依拠し、堅牢さを失っていた。こうしたシステムは米国とドルのみに依拠していた。ここ最近、ドルに依拠したこのシステム、そしてドル自体が世界金融市場の非常に複雑な状況にどれだけ耐えられるのか、ますます疑問視されるようになってきた。BRICS銀行、アジアインフラ投資銀行の開設はこのシステムに一種の均衡をもたらす。それに米国の連合国の多くがアジアインフラ投資銀行に合流し、そのプロジェクトに喜んで参加していることも偶然ではない。このほかアジアインフラ投資銀行はグローバル金融システムに揺るぎなさと安定をもたらし、銀行の株主らには悪くない配当をもたらしてもいる。」
BRICS銀行にしてもアジアインフラ投資銀行にしても決済は銀行ファイナンスに直接関与している諸国の通貨を用いて行う。中国は両方の銀行の主たる株主である以上、これは元の使用範囲を広げるだろうと予想されている。
ロシアの主要銀行らは中国のパートナーらとの協力の主眼をまさに元でのオペレーションの拡大にすえている。この方向性はロシア国内最大の銀行に数えられるズベルバンクの戦略的最優先課題の1つとなっている。ズベルバンクの投資分野の子会社であるズベルバンクCIBのアンドレイ・イヴァノフ上級執行役によれば、中国の諸銀行は現在、ズベルバンクに対して取引金融に120億元のリミットを開いている。ズベルバンクは過去12ヶ月間で中国で事業を行うロシアの企業経営者向けに150を越す信用状を元で発行しており、この分野に大きなポテンシャルがあると考えている。