なぜベルギーはイスラム主義者の巣となったのか?

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パリの連続テロ事件は、ブリュッセルのモレンベク地区の住民が半年の間に起こした4度目のテロ事件となった。モレンベク地区の地区長でさえ、ここは「暴力発生の火種」だと呼んだくらいだ。

モレンベクはブリュッセルの中でも最も「困難」な地区。公式的な発表では地区の失業率は30%。ベルギーの平均失業率の8.4%に比べると格段に高い。

モレンベク出身者らはパリの連続テロ以外にもいくつかの大規模なテロを世界中で組織し、実行してきた。例えばあのハサン・アリ・ハスキもその1人。ハスキは2004年3月、マドリッドの列車爆破テロを組織した一人。このテロは死傷者の数では未だに欧州最悪のテロ事件とされている。

ウォールストリートジャーナル紙が掲載した米指導部の匿名の消息筋の発言では「ベルギーには今、かなり複雑な状況が生まれている。シリア、イラクからの難民の波、そしてジハード的なプロパガンダと形成されたロジスティックスを考えると、ベルギーはテロリストらにとっては理想の巣となりつつある。」この消息筋はベルギー近郊には西ヨーロッパの全ての首都があること、またイスラム教徒のゲットーが多数あることが急進的イスラム主義者を引き寄せていると説明している。

彼らを引き寄せるもうひとつの原因は非合法の武器マーケットが広く普及していることだ。2015年1月、フランドル議会付属フランデレン平和問題研究所は、ベルギーの武器所持率は合法のものにしろ、非合法にしろ、隣国に比べはるかに高いことを明らかにした。ブリュッセルを拠点とするシンクタンクの「イチネラ・インスティトゥート」の社員ビラル・ベニヤフ氏は「ブリュッセルでは500-1000ユーロもあれば半時間で武器が買える」と語っている。

ベルギーは行政システムでも一定の困難を味わっている。2007年から2011年、この国は分裂の危機にあった。それに1年半もの期間、ベルギーには公的に認定された政府が存在していなかった。安全確保のため首都地域の19のコミューンは6つの警察の旅団によって管理されているため、ベルギー全土で犯罪者を探すための情報交換が難しくなっている。

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