「南北朝鮮は今、激しい口調の声明を互いに発表している。これは悲しいことではあるが、当然の事実だ。声明の口調が激しいのは、黄海における韓国の訓練が、延坪島付近で発生した軍事事件から5年が経過したことを受けて実施されたからだ。延坪島砲撃事件では、実際に韓国側の人的被害を伴う軍事対決が起こり、韓国の軍人2人が死亡した。そのため、南北双方が激しい口調の声明を表すのは避けられない。しかし、そこにさらなる意味を付け加える必要はない。恐らく、現時点でこのような声明は一時的な性格を有しており、時期が来れば、双方は何らかの対話に向かうことができるだろう」。
ヴォロンツォフ氏はまた、その対話はハイレベルで実施される可能性があるとの考えを表し、続けて次のように語っている-
「8月の非武装地帯における軍事事件を解決し、ハイレベル政治対話を実施する可能性について合意したことは、もちろん政治的な成果だった。原則的にこの決定は、両国が同じように切実に望んでいる2国間対話拡大と、今後の発展のための道を開く。なぜなら近年、南北関係は悲惨な状態にあるからだ。そして北朝鮮が最近行ったイニシアチブは、今実施されている対話再開に関する路線に含まれている。また北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は、新年の演説で、今年南北首脳会談を実施することを提案した。これに対して韓国の朴大統領は、肯定的に応じたように思われた。少なくとも、北朝鮮が先に行動を起こす必要があると示唆した。その後まもなく状況は不安な方向に進展した。しかし今、再び北朝鮮は2国間会談の実施を提案した。そして建設的な南北対話を実施する現実的な可能性があらわれた」。
南北首脳会談は、これまでに2度行われている。当時の韓国大統領、金大中(キム・デジュン)氏と、盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏が、北朝鮮の故・金正日(キム・ジョンイル)総書記と平壌で会談した。これは南北朝鮮関係の「不信の氷」を溶かすことを可能とし、経済協力への道を開いた。なお、スイスに留学していた金正恩第1書記が、北朝鮮を近代化し、同国を国際的な孤立から脱出させようとしているのは明確だ。この金氏と朴大統領との会談は、南北関係の発展で非常にポジティブな役割を演じることができるに違いない。