エネルギー専門家でイウィルディス工科大国際関係・政治学部の学部長、ヌルシン・ギュネイ氏は、スプートニクのインタビューに応じ、トルコとロシアの関係は緊張の度を高めているが、両者ともエネルギー協力については厳しい口調を避け、慎重な言葉遣いをしている、と述べている。
「トルコとのエネルギープロジェクト関連の協力を続行することで、ロシアはグローバルエネルギー市場における信頼のおけるエネルギー資源生産者・供給者としての立場を固めることができる。メルシンのアックユ原発にしろガスパイプライン
「トルコストリーム」にしろ、この市場の重要な要素だ。ことはロシアのような大型のプレイヤーの信頼に関わる話だ。トルコは第二の原発建設計画実現に一歩を踏み出している。間もなく第三の原子炉についても基礎が築かれる予定だ。
グローバルエネルギー市場においては、深刻な国際競争があるのだ。現状では、ロシアがトルコとこれまでにこの分野で築いた関係の中のこの大きな財産を犠牲にすることはない、と確信している」
その一方で、スホイ24撃墜事件の結果生じた紛争は、冷戦終了後のトルコ・ロシア関係において最も深刻な危機となった。シリア問題は、紛争参加者の一つが何らかの行動を起こした場合、他の参加者にも直接影響を及ぼし得るという性格を持っている。これは、シリアでは、欧米とロシアの間で、また地域の国々と外国のプレーヤーとの間で激しい競争が行われていることからくるものだ。現在に至るまで、政治関係において長い歴史を誇る、ロシアとトルコという影響力を持った両国は、生じる矛盾を直接的な対決にまでエスカレートさせずに、上手く処理してきた。両国のリーダーが、現在ある意見の相違を話し合い、今後それらを解決するために建設的な対話を行うよう期待している。なぜならそれが、両国の利益にかなうものだからだ。」