この男性が韓国人とされたのは、現在日韓の間で出来上がった全体的雰囲気によっても説明できる。スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、ロシア科学アカデミー極東研究所のワレ-リイ・キスタノフ所長に意見を聞いたー
そして靖国神社自体も、韓国社会において、ネガティヴは感情を引き起こしている。なぜなら、この神社には、日本及び天皇のために先の戦争で命を落とした旧日本軍の兵士や将校と共に、東京裁判で死刑判決を受けた戦争犯罪人14人も祀られているからだ。この神社への公的人物、例えば、内閣の閣僚や衆参両院議員の参拝について、韓国側は極めて強く批判している。そうした事から、今回の事件、靖国神社のトイレで韓国人が爆弾を爆発させたとしても、何も驚くべきことはない。
しかし韓国の警察庁は、日本の治安維持諸機関が、容疑者の国籍割り出しに成功したとする、一連のマスコミ報道を否定した。なお先に日本側は「捜査の過程で、現場に残された乾電池や電池ケースの一部に、ハングルがあったことも判明した」事を明らかにしている。
これについて、再び極東研究所のキスタノフ所長に意見を聞いたー
「犯罪の証拠品にハングル文字が書かれていたとしても、まだ何も立証できていない。なぜなら、そうした事が自分にとって都合のいい勢力による挑発行為である可能性もあるからだ。日本の右翼もそうした勢力に含まれる。理論的には、そうした説も除外できない。しかしどのような場合でも、社会の治安を乱す極めて過激主義的な事件だ。それゆえ今回の場合、日韓両国の治安当局は、法律にのっとって行動するものと確信している。もし、実際に実行したのが韓国人である事が証明されれば、韓国の治安諸機関は、調査し人物を特定し、韓国の法律に従った措置を講ずるだろう。もし日本と韓国の間に、犯人引き渡しに関する合意がないのなら、韓国の治安当局自身が、犯人を罰しなければならない。しかし繰り返すが、本当に韓国市民が犯罪に関与したのかどうか、それをまず証明する必要がある。
それが行われないうちは、日韓両政府の関係は、袋小路に陥ったままだろう。パク・クネ大統領が二国間サミットの形で安倍首相との会談を拒否している事が、まさにこの袋小路を象徴している。」