現在「スーパーカミオカンデ」は、地球から100万光年の彼方にある超新星から届いたニュートリノを捉えている。超新星は星が一生の最後に起こす大爆発で、大量のニュートリノを放つ。今回の改造が終わると、捉えられるニュートリノは、数百万光年にまで広がる。
そうした距離での超新星からのニュートリノの放出は、何十億年も前のことであり、それを研究する事で、超古代の宇宙の姿を理解したり、宇宙誕生の謎に近づく事が出来るかもしれない。
東京大学の小柴昌俊(コシバ・マサトシ)特別栄誉教授は、約16万光年離れた超新星からのニュートリノを初めて捉えた業績で、2002年にノーベル賞を受賞した。また今年は、小柴教授に続いて、この装置を使った研究で梶田隆章(カジタ・タカアキ)東大宇宙線研究所長が、ノーベル物理学賞に輝いた。東京大学は「スーパーカミオカンデ」の観測能力増強に向けた改造が進めば、将来又ノーベル賞受賞者が生まれるのではないかと期待している。
改造を終えた「スーパーカミオカンデ」を使った新たな実験は、数年後から始まる予定だ。