技術供与の拒否で米国は韓国に苦渋を味わわせた。韓国は戦闘機KF-Xの開発計画が頓挫した。もっとも米国は、それをも含め、軍用部品について、今後も韓国と協力を進めていく約束を行なった。双方首脳ともに同盟関係は不滅であり、パートナーシップは重要だと言ってはいるが、両国間には明らかな不一致と不信感がある。軍事アナリストのウラジーミル・エフセーエフ氏の意見では、米韓間同盟は極めて条件的なものである。その理由はこうだ。
「韓国は非常に原爆を開発したがっている。米国はそれを抑制しようとしている。なぜか。米国は、ある時点でおさえがきかなくなり、韓国が本当に核爆弾を開発することを恐れているのだ。また、韓国が自らの利益を追求して、米国に伺いを立てることなしに、朝鮮半島に戦争を起こす危惧もある。米国ものちにこの戦争に巻き込まれることになる」
同氏によれば、韓国も米国も、国益が緊密に一致してはいない。一方では米国には朝鮮半島に緊張を維持することが必要なのだ。なぜなら、地域における軍事プレゼンスが正当化されるからだ。しかし他方、米国は、韓国が戦争を始めた場合、それに参加しなければならなくなる、という事態を望んではいない。ゆえにこそ米国は、韓国により新式の軍事技術を提供するのに消極的なのだ。
これに対し、韓国では、国防部門における米国への一方的依存からの脱却について、声高に叫ばれるようになっている。韓国は既に代替的な技術調達先を探し、ゆくゆくは全く兵器の購入へのアプローチを見直すことをにおわせ、間接的に米国を圧迫した。こうした戦術はまだ米国により慎重に軍事技術を共有することを強制してはいないが、それによって米国は少しずつ韓国への圧力を弱めるようになっている、とエフセーエフ氏。
「それはまず、弾道技術について明らかだ。当初米国は非常に厳しく韓国弾道弾の飛距離を167kmに制限していた。これはちょうど平壌までの距離である。しかしのち、300kmまで飛距離を延ばすことを許された。現在はさらに緩和されて、既に800kmが可能になっている。韓国は核の運搬手段を着実に手に入れている、という印象だ」
韓国が軍事技術部門でより自立を目指しているのは、何も平壌の政策を恐れてだけのことではない。日本の矛盾した行動も、そこに与って力ある。一方では、日本は国連総会で核兵器の全廃を呼びかけている。しかし他方、一部専門家によれば、日本自身もひそかに核武装を望んでいる。