メドヴェージェフ首相は昨日、中国紙「人民日報」の取材に応じ、中国最高指導部との会談の方向性を示した。首相は、ロシア政府はシルクロード経済ベルトに関する北京との積極的協力に前向きだ、と指摘。具体的には、相互投資の奨励、大型プロジェクトの共同実施、工業団地や国境横断型経済協力ゾーンの創設を挙げた。
首相によれば、ユーラシア経済同盟とシルクロードの接合で、貿易が簡素化され、相互投資の保護が強まる。ユーラシア共栄圏の創設、それは米国によるTPP創設に対する中国とロシアの一種の対抗措置である。そう語るのは極東研究所のアレクサンドル・ラリン氏だ。
「中国はTPPに入ることが出来ない。TPPには経済状態や、経済成長に関するルールに対する一定の要求があるからだ。たとえば、国家部門は米国のように強く制限されねばならない。これは、やはり米国が提唱しているTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)についてもちょうど同様だ。この二つのフォーマットはともに中国とロシアを蚊帳の外にしており、当然、両国の否定的な反応を呼んでいる。中国はTPPに対抗して包括的地域経済パートナーシップを提唱。TPP加盟国12カ国中7カ国がこの中国版フォーマットに入っている。中国は既に22カ国とFTAを結んでおり、グローバル規模の経済統合にてこ入れしている。ユーラシア経済同盟および上海協力機構の枠内での経済協力戦略を中国の提唱するシルクロード構想に接合することで、この潮流が加速される。
上海協力機構のドミートリイ・メゼンツェフ事務総長は、上海協力機構加盟諸国はある意味で中国のプロジェクトを共同作業への呼びかけであると受け止めている、との見方を示した。上海協力機構は組織としてユーラシア経済同盟とも中国構想とも協力できるフォーマットを見つけるべきだ、とメゼンツェフ事務総長は確信している。
事務総長はまた、今日、上海協力機構には、一連の影響力ある国が、それも必ずしもユーラシア国家だけではなく、同組織に何らかのステータスで加わることを申請している。これは同組織がわずか設立14年で多くのことを成し遂げたことの証拠だ。